「メモリアル・アルバム」のおまけ記事②として、「Wail Bait」と「Easy Living」のコード進行を紹介します。
「Wail Bait」はメロディとコード進行に個性があり、聴いているうちにメロディを覚えて口ずさむようになりました。
アドリブが難しい曲でもあります。
「Easy Living」はジャズ・スタンダード曲の1つです。
クリフォード・ブラウンって、バラードの演奏が上手いですねー。
まだ20代前半なのに、この成熟したプレイだもの。
イントロ (管楽器が入る所から書いてます)
|F7(♯9) |F7(♯9) |F7(♯9) |F7(♯9) |
|F7(♯9) |F7(♯9) |FM7 |Gm7 C7 |
A
|FM7 |Em7-5 A7 |Dm7 |A♭m7(11) D♭7 |
|G♭M7 |A♭m7(9) D♭7 |Gm7 C7 |Gm7 C7 |
A
|FM7 |Em7-5 A7 |Dm7 |A♭m7(11) D♭7 |
|G♭M7 |A♭m7(9) D♭7 |Gm7 C7 |FM7 |
B
|Cm7 F7 |B♭M7 G7 |Cm7 F7 |B♭M7 |
|Dm7 G7 |CM7 A7 |Dm7 G7 |Gm7 C7 |
A
|FM7 |Em7-5 A7 |Dm7 |A♭m7(11) D♭7 |
|G♭M7 |A♭m7(9) D♭7 |Gm7 C7 |FM7 (C7) |
エンディング (最後のAの5小節目から書きます)
|G♭M7 |A♭m7(9) D♭7 |Gm7 C7 |FM7 E♭sus4 |
|E♭sus4 |
〇コード進行の解説
イントロの7~8小節目は、リズム隊が休んでピアノのソロになるのですが、そのアドリブを聴くとこのコード進行だと思います。
Aは、最初はFキーですが、2小節目でDmキーに転調。
4小節目でG♭キーに転調し、7小節目で元のFキーに戻ります。
Bは、前半の4小節はB♭キー。
5~7小節目はCキーで、8小節目で元のFキーに戻ります。
すごく転調が多い曲ですね。
それがテーマ・メロディの恰好よさに繋がっているのですが、アドリブを取るのは困難になる。
実際にクリフォードら皆がアドリブで苦戦してます。
最後のほうで第2のテーマ・メロディといえるものが登場しますが、テンション・ノートが少し変わるくらいでコード進行は変わっていません。
エンディングは、最後のコードはE♭sus4だと思います。
sus4コードは本来は経過コードなので、それで終わるのは変なんですよ。
E♭7(♭Ⅶ7)で終わるパターンは割とあるんですけど、E♭(♭Ⅶ)にsus4つけて終わるのは見ないなあ。
イントロ
|E♭7 |E♭7 |E♭7 |B♭m7 E♭7 |
A
|A♭M7 Adim |B♭m7 Bdim |Cm7 E♭m7A♭7|D♭M7 G♭7 |
|A♭M7 F7(♭9)|B♭m7 E♭7 |A♭M7 F7(♭9) |B♭m7 A7 |
A'
|A♭M7 Adim |B♭m7 Bdim |Cm7 E♭m7A♭7|D♭M7 G♭7 |
|A♭M7 F7(♭9)|B♭m7 E♭7 |A♭M7 D♭m7 |G♭m7 B7 |
B
|EM7 C♯m7 |F♯m7 B7 |EM7 C♯m7 |F♯m7 B7 |
|EM7 |C♯m7 |B♭m7 |E♭7 A7 |
A
|A♭M7 Adim |B♭m7 Bdim |Cm7 E♭m7A♭7|D♭M7 G♭7 |
|A♭M7 F7(♭9)|B♭m7 E♭7 |A♭M7 F7(♭9) |B♭m7 E♭7 |
エンディング (最後のAの5小節目から書きます)
|A♭M7 F7(♭9) |B♭m7 E♭7 |E♭7 |D7 G7 |
|C7 F7 |B♭7 E♭7 |A♭M7(13) |A♭M7(13) |
〇コード進行の解説
まずイントロですが、1~2小節目が謎の和声でした。
ベースノートはE♭で、その上でフルートとサックスが不思議なハモリをする。
よくわからない動きですが、E♭7(Ⅴ7)だと基本的にどんな音を出してもいいので、たぶんE♭7なのだと思います。
その後の3~4小節目は、響きからみて上記の進行で間違いないでしょう。
Aは、A♭キーでほとんど進行しますが、3~4小節目には一時的なD♭キーへの転調があります。
ちなみに、1小節目のAdimはF7(♭9)の代理コードで、2小節目のBdimはG7(♭9)の代理コードです。
ベースノートを半音で上げていくアレンジの時に、このように代理コードを使います。
A'は、Aと最後の2小節が違います。
BはEキーなので、そこに向かっていく動きになるのです。
7小節目のD♭m7は、もうEキーのⅥmの響きになってますね。
ここからEキーに転調と考えていいでしょう。
Bは、6小節目まではEキーで、7小節目で元のA♭キーに戻ります。
エンディングは、D7からは5度下(4度上)に動いていく進行です。
これはエンディングでよく使われるアレンジですね。
A♭に辿りついた所で曲が終わります。
あと、このクリフォード・ブラウンのバージョンでは、AA'BAと普通にやらずに、AA'BA'BAでプレイしてます。
(2017年6月8日に作成。
Easy Livingは6月10~11日に作成)