(『筋肉まるわかり大事典』石井直方著からの抜粋
2010年7月~10月にノートにとり勉強した)
筋肉は体重の1/3~1/2を占めている。
30才位までの男性は体重の40~45%、女性は35~40%が筋肉だ。
筋肉トレーニングは、紀元前2500年頃のエジプトで始まったといわれている。
筋肉、神経、心臓などは「非再生系組織細胞」であり、再生しないタイプである。
つまり死ぬまで同じ筋線維が保たれる。
筋肉は、体の中心に近づくほど大きくなり、末端ほど小さくなる。
筋肉は関節の働きに応じた構造をしている。
①羽状筋
関節を伸ばすための筋肉で、重力に逆らって体を支えるための構造をしている。
線維が鳥の羽のように斜めに走っている。
伸び縮みに弱いが、線維数が多く、大きな力が出る。
②平行筋(紡錘状筋)
関節を曲げるための筋肉で、重力に逆わないので、素早く大きく動かすことを優先している。
よく伸び縮みするのが特徴。
筋線維が平行に並び、線維数は少ない。
筋力を犠牲にして早く動くように働いている。
🔵インナーマッスルとは
体の深部にあり、姿勢の維持や関節のポジショニングのための筋肉を指す。
「外から触れない筋肉」と定義されている。
パワフルな運動や大きな動きのための筋肉ではない。
インナーマッスルが注目されたのは1990年代始め頃の、ピッチャーの投球動作の研究(肩のトレーニング)からだった。
その後、健康がらみで痩せるための筋肉として一般にも注目され始めた。
インナーマッスルがしっかり働くと、安静時の代謝も増え、太りにくい体質になる。
インナーマッスルは日常で使うため、鍛えるのが難しい。
この筋肉は、急激な力が関節にかかった時に補正し、ケガを防いでくれる。
姿勢が乱れた時に、反射によって乱れをキャンセルする。
🔵筋肉の連動
筋肉は、体の中心に近づくほど大きく、末端に行くほど小さくなる。
そして大きな筋肉が原動力となって末端へ力を伝える。
筋肉の働きは「内から外へ」が原則だ。
この筋肉の連動の動きを、神経が調整している。
日常の動作は赤ちゃんの頃から徐々にプログラムされる。
生命活動に密接な運動ほど一度覚えれば忘れない。
その代わり、基本的な動きほど間違った形で定着すると直すのが大変。
つまり、初回のプログラムが非常に大切になる。
脳は出力依存型の器官と言われている。
情報を出力した時に初めて学習効果が生まれる。
頭で考えて上手くやろうとしても、(入力なので)なかなか出来ない。
「上手くやった」という体験をくり返すことで、良いプログラムが出来上がっていく。それが練習である。
(※これはギター演奏にも言えること。
ただし上手くやったと判るためには、自分の中に理想のイメージが必要だ。
理想のイメージは入力で作るため、最初にやるべきことは頭で考えることだと思う。)
筋肉の緊張レベルが高い人は体が硬い。動きも硬くなりがち
また、無理なトレーニングでコラーゲンが増えても、筋肉は硬くなってしまう。
この場合、ストレッチ、マッサージが有効。
🔵速筋と遅筋
遅筋は、重力に逆らって姿勢や動きを維持する役目の筋肉で、硬く伸びにくい。
速筋は、ダイナミックに動く役目のため、柔らかい。
筋線維は今の所、7種類に分けられている。
遅筋は2種類、速筋は5種類で、速筋はタイプ1とタイプ2に分かれる。
遅筋は、収縮は遅く、力も小さい。スタミナはある。
赤いタンパク質を多く含み、色は赤い。
このタンパク質は酸素を取り込みエネルギーを供給する。
速筋は、収縮速度が速く、力も大きい。スタミナはない。
タイプ1は、典型的なスプリンター型で、速いがすぐに疲れる。
タイプ2は、遅筋との中間的な性質で、力もスタミナもある。
タイプ1は白色、タイプ2はピンク色である。
人間は、ほとんどの筋肉が速筋と遅筋が50%ずつの割合だ。そのためピンク色になる。
ヒラメ筋など、日常的に使ったり姿勢を維持する筋肉は、遅筋が多い。
速筋と遅筋の割合は遺伝で決まる。
だからスプリンター型かマラソン型かは、生まれた時点である程度わかる。
速筋の割合をトレーニングで増やすのは難しく、遅筋は時間をかければ可能らしいと言われている。
また速筋は、遅筋に比べて細胞体が大きく、筋線維も多い。
すなわちくサイズが大きい。
そのため、太くなりやすい。
ふくらはぎと腹筋は先天性が大きく、生まれつき太い人や細い人がいる。
そして細い人が太くするのは大変である。
前腕も遺伝の影響が非常に大きく、太くなりにくい人がいる。
🔵拮抗筋
筋肉は必ずペアになっています。このペアを拮抗筋と言う。
筋肉は、縮むだけで、自分で伸びることができない。
そのため反対側から伸ばす筋肉が必要になる。
拮抗筋はバランスが取れているのが大事。
片側だけが強いと関節に負荷をかけてしまう。
太ももの場合、前部と後部(ハムストリングス)では前部が2倍ほど強い。
しかしアスリートの場合、ハムストリングスがスプリントやジャンプに必要なため、前部の60~70%にまで達している。
スプリントやジャンプは、前部と後部が同時に収縮する。
🔵随意筋と不随意筋
簡単に言うと、自分で止められるものが随意筋、止められないのが不随意筋である。
筋肉は、自分で動かしやすい部位と、動かしにくい部位がある。
自分の目で動きを確認できる筋肉は動かしやすい。
反対に目で確認できない筋肉は動かしにくい。代表は顔の筋肉だ。
たまに耳を動かせる人がいるが、あれは知らないうちに練習していたのだろう。
深部の筋肉も確認できないので、動かしづらいと言える。
スポーツでは、動かしづらい筋肉を動きやすくしたらパフォーマンスが上がると考える人もいるが、 スポーツ動作は意識しないでもできるかが大事。
だから動作を体に染みこませてパターン化するのが重要。
(2025年6月30日に作成)