(『筋肉まるわかり大事典』石井直方著から抜粋
2010年9月21日にノートにとり勉強した)
🔵筋線維の話
筋肉は主に筋線維で出来ている。
筋線維は、太さが40~100um(マイクロメーター)で、髪の毛と同じ位の太さ。
長さは10cm以上になるものもある。
筋線維は、「筋芽細胞」という小さな細胞がベタベタと融合し、マンションのようになっている。
そして分業し合って維持している。
だから、端と真ん中では状況が違ったりする。
普通の細胞だと死んだら新しく作られるが、筋線維は壊れたらその部分を補修する働きとなる。
筋線維は(細胞としては)巨大なため、リフォームでないともったいないのだ。
そして補修することで、より太く強くなる。
例えば格闘技で打撃を受けると、打たれた所を修復して強くしていく。
トレーニングで痛めつけるほど強くなるが、やりすぎると死んでしまう(壊死する)こともある。
つまり筋トレは、回復する範囲でトレーニングし、それをくり返す必要がある。
🔵筋肉が強くなる仕組み
筋線維は他の細胞よりも能力が高く、ストレスをかけると抵抗して太くなる。
なぜ太くなるのか、それは筋肉の力はその断面積に比例するからだ。
筋線維の周りには、補修を担当する「筋サテライト細胞」が張り付いている。
これが補修をする。
筋線維が完全に切れて死ぬと、「筋サテライト細胞」は増殖して、新しい筋線維を作る。(これを筋線維の再生と言う)
運動して疲労した時も、増殖して筋線維に融合し、筋線維を太くする。
筋肉が強くなるのは、一本一本の筋線維が太くなるからというのが定説。
「筋サテライト細胞」は、将来に「幹細胞」となり、筋線維が生まれ変わるための種になるというのが定説である。
筋線維の細かい仕組みは分っていない。
🔵筋肉の一生
筋線維は胎児期にどんどん増え、筋肉を形作る。
筋線維の数はこの時期に決定し、その後は太くなっても数は増えないと考えられている。
一般的に20~30歳位の間に筋肉は一番大きくなる。
そして30歳を過ぎたあたりから数は変わらないまま一本一本が細くなっていく。
40~50歳の間になると一本ずつが細くなると共に、数も徐々に減っていく。
加齢と共に筋線維がどのように死ぬかは解明されていない。
有力な説は「アポトーシス」という死に方で、これは自ら命を絶つこと。
傷んだ細胞は病気の原因になることもあるため、「自分は足手まといだ」と判断したら、自殺して健康を維持するらしい。
このような自殺プログラムによって神経や筋肉が減っていくと考えられている。
このアポトーシスは速筋に多く、数が減っていくのは速筋が先である。
🔵筋トレのしすぎは硬い筋肉につながる
筋トレによる筋線維の破壊は、ふつうは筋線維がポチポチと乱れる程度である。
だが酷使しすぎると、筋線維は切れて死んでしまい、分解されて溶ける。
そして再利用されたり、オシッコと共に排出される。
切れた部分では再生が起こり、10日~2週間ほどで新しい筋線維が作られる。
(※これが肉ばなれの治癒の過程なのだろう)
回復しないうちに壊れるようなトレーニングを続けると、新しい筋線維を作るよりもコラーゲンで埋める方が手っ取り早いので、その補修方法が行われる。
こうなると線維化(ファイブローシス)と言って、「硬い筋肉」になってしまう。
(※初めて知った。
僕が高校の頃に筋肉が固くなったのは、アトピー薬のステロイドのせいと思っていたが、サッカー部活動で肉体の酷使を強いられ、この線維化もあったのではないか。)
筋肉が痛いのは、休養のサインである。
多少の筋肉痛ならば出来る範囲でトレーニングした方がいいが、パワーが出ない時はトレーニングをしない方がいい。
(以下は『筋トレ以前のからだの常識』平石貴久著からの抜粋
2010年7月月にノートにとり勉強した)
🔵体幹部について
全ての種目に共通する「スポーツ力」は、体幹部の速く確実な動きから生まれる。
体幹部とは胴体のことで、体から頭と手足を引いたものにあたる。
医学では軀幹部(くかんぶ)とも言う。
体幹部は四肢(手足)の動きの源なので、体幹部が速く確実に動くと、四肢もしっかり動く。
ボディービルダーの動きが遅いのは、体幹部が鍛えられていないため。
アスリートは体幹部が鍛えられているのでイケてる動きをする。
体幹部が鍛えられているとスポーツの上達が早い。
体幹部を鍛えるのに役立つのは、4つの基本の運動だ。
スクワット、片足立ち、腹筋、腕立て伏せの4つである。
体幹部の筋力をチェックするには、つま先立ちで立ち、歩いてみる。
体幹部の弱い人は、つま先立ちをすると姿勢がすぐに崩れてしまう。
🔵種目別のトレーニング方法
①短距離走
短距離走は、トップスピードにいかに早く持っていくかがカギとなる。
加速に欠かせない筋肉(加速筋)は、ヒップ、太もも裏側、ふくらはぎで、アキレス腱も重要だ。
これらを鍛えるには、足の運びを速くするトレーニングが良い。
ダッシュと徐走をくり返す、ダッシュ&ゴーが効果的。
ダッシュはももを高く上げて足の回転を速くするといい。
短距離走は腸腰筋や股関節も大切で、階段を2段ずつとばして上るのが良いトレーニングになる。
②長距離走
長距離走で一番疲れるのは足の裏だ。ここがカギを握る。
足の裏を鍛えるには、タオルギャザーや足書きアルファベットが良い。
③ゴルフ
スイングの起動は足の裏にあり、と言われる。
よってタオルギャザーなどが有効。
飛距離を伸ばすには腹筋が欠かせない。
太もも、 ひざ周囲の筋肉も鍛えたい。
調子が出ない時は水をひと口飲むといい。
プロはリズムを変える時に実行する。
④野球
太ももがでかいと上手くなる、と言われている。
太ももの他には、膝の周囲、肩の筋肉が重要。
肩の可動域を広げる運動も行いたい。
🔵筋肉のつき方と落ち方
筋肉のつく具体的な成果は、3ヵ月たつ頃だ。
運動をしてなかった人が筋トレを始めると、日常のふるまいがキビキビしてくる。
これはうまく体を動かせるようになったせいで、 筋肉が付いたからではない。
一度ついた筋肉はなかなか落ちない。
特に脚や腰の筋肉は落ちにくいので、頼もしい筋肉だ。
🔵運動と重力
運動の時、体は重力に抵抗して動いている。
体の動きは地面から離れるほど、スピードを増し、安定が損なわれる。
(以上は2025年7月12日に作成)