神
HEBの第一の指針は、『一体性』だ。
それは、「すべてが一つであり、全ての生命は神聖である」という認識だ。
HEBの社会では、他者の生命を相手の意思に反して奪う事はない。
ニール
自分が攻撃をされても、ですか?
神
HEBの社会では、そんな事は起こらない。
ニール
別の星から攻撃されたら?
神
HEBは、「自分は肉体の存在ではない」と分かっている。
だから、相手を滅ぼすのではなく、ただ自分の肉体を置き去りにして、非肉体的な自己へと移る。
ニール
オビワン・ケノービのように!
神
その通り。
SF作家たちが真実を明かしてくれる事は、よくあるね。
HEBは、本当の自分をはっきりと知っている。
彼らを「傷つけたり、痛めつけたりする」のは、まず無理だね。
HEBは、別の人間を殺したりはしない。
第一に、彼らには怒りは無い。
第二に、相手の了解なしには殺したりしない。
第三に、彼らは決して攻撃されたとは感じない。
「攻撃された」と感じるのは、「相手に何かを奪われる」と思うからだ。
だがHEBは、相手が力づくでも欲しがるなら、与えてやる。
なぜなら、HEBはもう一度すべてを創造できる事を知っているからだ。
だからHEBは殺されても、殉教者・犠牲者だとは思わない。
HEBは、『本当の自分は、物質的な事柄とは何の関係もないこと』を知っているのだ。
HEBは、『攻撃側と自分が一つであること』を知っている。
攻撃側を、「自分の傷ついた部分」だと考える。
その状況での仕事は、相手の傷を癒す事だ。
攻撃者に自分のすべてを与える事は、「自分にアスピリンを飲ませる様なもの」なのだよ。
ニール
しかし、相手に自分を殺す許可を与える理由なんてありますか?
神
理由はいくらでもある。
例えば、自分を食糧として差し出す場合。
あるいは、戦争を終わらせるため。
(『神との対話3』から)