神
とても大きな視点から見れば、悪というものはないのだよ。
ニール
でも、人殺しや盗みは、悪い事です。
神
その「悪い事」が、正しくなる例を、いくらでも見せてあげられるよ。
ニール
「どんなルールにも例外がある」とおっしゃりたいなら、その通りですが。
神
例外があるなら、ルールではないな。
ニール
時には良い目的のために、悪い事をしなければならないこともあります。
神
それは結局「悪い事」ではない、そうではないか?
「悪事は、良い目的のための手段にすぎない」という人もいる。
あなたはどう思う?
ニール
そんな事は、絶対にありませんよ。
神
あなたは今、『自分のルールを作り上げている』。
それが分かるかね?
それで全く構わない。あなたはそうするべきだからだよ!
人生とは、『自分とは何者であるかを決め、それを体験するプロセス』だ。
あなたは視野を広げながら、新しいルールを作っていく!
そのルールは、あなたが押し込んでおけない何かを「押し込んでおく」、境界なのだ。
あなたは何らかの概念を作り上げ、それから境界を受け入れる。
自分を含めて何かを知るには、その方法しかない。
『自分とは何者か』を決めるために、善悪を作り上げているのだ。
そうした定義、つまり境界なしには、あなたは何者でもなくなる。
あなたの考えが変化すれば、境界も変化する。
ニール
でも、「人殺しや盗みが悪」という事では、人間は合意しています。
神
それでは、どうして戦争がある?
ニール
それは、ルールを破る人間がいるからです。
神
「ルールを破る人間」などというものはない。
あなたと違う考え方をする人、違う世界モデルを作り上げている人、がいるだけだ。
どんな者も、自分の世界モデルにてらせば、間違った事はしていない。
ニール
それでは、その「モデル」が間違っているんです。
おかしいのは、その人ですよ。
神
残念ながら、正にそういう考えが、戦争を引き起こすのだよ。
善悪に対する考え方は、文化や時代や、宗教や地域によって…、それどころか一人ひとりによっていくらでも変わるものだ。
(『神との対話2』から)