ニール
「国や世界をめちゃくちゃにしたのは、いかれた若者の狂気だ」と言う人もいます。
神
そう、若者たちはあなた方の暮らしを破壊している。
若者とは、常にそういうものだ。
だから、あなた方は若者を抑えるのではなく、励まさなければいけない。
若者たちは、環境破壊や戦争や弱者からの搾取を、「やめてくれ」と言っている。
やめてくれと言っているどころか、哀願している。
ニール
でも、暴力的なのは若者の方ですよ!
法と秩序をばかにしている。
神
若者の叫びや願いが聞き入れられない時、愚かでない若者は、次善の行動をとる。
「あなた方を説得できないなら」と、あなた方と同じ事を始める。
若者は、頑張っても変えられないと、「自分も真似をするしかない」と思う。
その点は、彼らが間違っている。
しかし、彼らは他の方法を教えられた事がないのだ。
ニール
それでは、どう若者を教育すべきなのですか?
神
第一に、彼らを霊的な存在として扱いなさい。
どうして子供達に競争を強いて、成績をつけるのか。
そんなやり方から、子供達は何を学ぶと思う?
これからは、知識ではなく、『概念』を教えなさい。
「認識・誠実・責任」、この三つの基本概念を中心にした、新しいカリキュラムを考えなさい。
すべての指導を、この三つから始めなさい。
ニール
もっと説明していただけますか?
読み書き・計算は、どうやって教えるのですか?
神
初級から上級まで、この三つの概念を軸にする。
子供達は、この概念にひたる。
計算なども、この枠組みの中で教えられる。
コアとなる三つの概念と、その関連事項に、重点を置くようにする。
ニール
関連事項と言いますと?
神
これは、派生物(スピンオフ)の事だ。
例えば、こんな教科があっていい。
①誠実と責任 ②公平 ③寛容 ④認識と目覚め
⑤個性と自己創造 ⑥紛争の平和的な解決
⑦身体と精神と魂 ⑧喜ばしい性的表現
日付・事実・統計数字を中心にするのではなく、「概念・価値観を中心にした、論理的構造を創り上げること」に、関心を向けさせなさい。
誠実とはどういうことか。責任とは何か。
人の気持ちを認識し、他人の生き方を尊重する事とはどういうことか。
これらの事は一番大切な事なのに、学校では教えず、「親が教える事だ」とあなた方は言う。
だが、親は自分が教えられたことを伝えるだけだ。
親の罪は、子に伝わる。
ニール
でも、そんな事を学校で教えようとしたら、親たちは半狂乱になります。
「価値観を教えようとしている! 学校はそういう場所ではない!」と言い出します。
神
それは、親たちが間違っている!
学校が、「親たちの思い込みや、偏見から切り離された場所」だからこそ、そういう事を教えるべきなのだ。
子供達に過去のやり方を押し付けるのは、やめなくてはいけない。
過去のやり方では、あなた方の望む世界に到達できなかったではないか。
今の教育システムは、答えを出すことを主にしている。
だが、『問いかけること』を主にした方が良い。
誠実とは? 責任とは? 公正とは?
子供達に、「自分で答えを見つけなさい、創りなさい」と励ましなさい。
ニール
それでは、収拾がつかなくなってしまいます!
神
今の社会は、収拾がついているのかな?
あなた方は、データを「正しい事」として教えている。
しかし、データは「ありのままのデータ」として、見せてやるべきなのだ。
過去のデータを、現在の真実の基礎にしてはいけない。
過去のデータとは常に新しい問いかけの基礎であって、それ以上のものではない。
宝はいつも、問いかけのなかにある。
子供達に、「新しい価値観を探し、どう考えるのかを追求しなさい」と励ますべきだ。
「子供達に価値観を問われたくない」という親は、子供を愛していない親だよ。
子供を通じて、自分を愛している親だ。
ニール
おっしゃるような学校があればいいと思います。
神
ルドルフ・シュタイナーのウォルドルフ・スクールは、努力している。
あの方式は有効だ。
(『神との対話2』から)