ニール
あなたは、既存の宗教を「間違っている」と言います。
結婚制度や現在の政府についても、「機能していない」と言いますよね。
神
あなた方は、「本当の神を知り、愛せるようになりたい」と言う。
だが、あなた方の宗教では、そこへは到達できない。
あなた方の宗教は、神を偉大な謎にして、神を愛するのではなく、恐れさせている。
そして、あなた方の行動を変えるのに、ほとんど役立っていない。
あなた方は今も、殺し合い、非難し合い、相手を間違っていると糾弾する。
それを、あなた方の宗教は奨励している。
だから、宗教はあなた方が目指す所ではなく、別の場所に連れて行っている。
あなた方は、「安らぎと幸せをもたらしてほしい」と思って、結婚をする。
だが、あなた方の結婚制度は、結婚生活が長くなると、あなた方を苦渋・怒り・後悔に連れて行く。
あなた方は、「平和・自由・安定を保障してもらいたい」と言う。
だが、あなた方の政府は、『人々に充分な食糧を与えて、健康に暮らさせる』という基本的な問題さえ、なかなか解決できない。
ましてや、『平等な機会を提供する』という課題は、達成されていない。
これは批判ではないよ。私は観察をしているだけだ。
ニール
なぜ、そんな事になっているのでしょう?
神
あなた方の『文化的な神話』のせいだ。
文化的な神話は、「あなた方の古い倫理」を伝え、倫理は行動を生み出す。
問題は、文化的な神話が、基本的な直感と矛盾している事だ。
ニール
と言いますと?
神
あなた方の神話は、「人間の本質は悪で、原罪を背負っている」と語る。
そう生まれついているのだと語る。
その神話から、必然的に「適者生存」という第二の神話が生まれてくる。
「自分や自分の仲間が生き延びるためには、他者を殺害する。それでこそ適者だ。」と言う。
だが本当は、あなた方の本質は『公平・一つになること・愛』だ。
それが、細胞に記憶されている本来の性質だ。
あなた方の本質が悪であり適者生存ならば、転落しそうな子供や溺れかけた人を、本能的に助けたりはしないだろう。
ところが本能で行動する時は、自分の身が危うくなっても助ける。
これは、あなた方の本質が『公平・一つになること・愛』なのを反映している。
(『神との対話3』から)