結婚②
結婚制度は、愛を約束や保証のレベルに引き下げている

 神

高度に進化した社会では、結婚もビジネスも無い。

そういった「人工的な社会機構」は何もなくなる。

結婚している人のほとんどは、施設に入っているような気分だろう。

ニール

多くの人は、結婚という制度を愛し、守ろうとしていますよ。

 神

それには異議があるね。

ほとんどの人は結婚で苦労しているし、その経験を好ましいとは思っていないよ。
離婚統計がそれを物語っている。

ニール

では、結婚制度は廃止するべきだと、おっしゃるのですか。

 神

私は、どうすべきだとか、すべきでないとかは言わない。

ただ、私は別に結婚制度を望んではいない。
あなた方が望んでいるだけだ。

ニール

私達はなぜ、結婚を望むのでしょう?

 神

愛に「永続性」をもたらしてくれる方法として、唯一考えついたのが、結婚だからだ。

パートナーを保証してくれる、唯一の方法だからだよ。

結婚は、まるでビジネスだね。
「あなたがこれをくれれば、私はこれをあげる」という取引だ。

取引の履行を強制するために、「神との神聖な盟約だ」という事にした。
だから離婚をすれば、神から罰を受ける。

それでは上手く行かなくなったので、今度は法律で強制する事にした。

ところが、それさえも上手く行かなくなった。

ニール

どうして、そんな事になるのでしょう?

 神

結婚は、自然の法則に反するのだよ。

ニール

説明していただけますか?

 神

あなた方の本質は、愛である。
愛は、無制限で自由なものである。

従って、あなた方は元々、無制限で自由なのだ。

あなた方の本質を踏みにじる人工的な機構は全て、あなた方を侵害する。
だから強い不満を抱く。

結婚という制度は、安全を保障しようという試みだ。

結婚とは、『お互いの行動を律しようとする、人工的な社会制度』だ。

ニール

やれやれ、そんな風に考えた事はなかったな。

 神

結婚が無制限で自由な愛につながるなら、それは究極の愛の宣言だ。

だが今の結婚は、愛を約束か保証のレベルに引き下げるものだ。

結婚は、「今の状態が永遠であること」を保証しようとする努力だ。

お互いへ抱く感情を、決して他人には持たないと保証し、「この関係は特別だ。私はこの関係を、他の全ての関係の上に置く」と言明することだ。

ニール

それのどこが、いけないのですか?

 神

正邪の問題ではない。
あなた方にとって「役立つかどうか」、それが問題だ。

面白い事に、マスターたちはほとんど結婚していないよ。

ニール

ええ。マスターはセックスをしませんから。

 神

そうじゃない。

マスターは、今の結婚という仕組みに、誠実に従う事はできないから、結婚をしないのだ。

つまり、「一人の人間が、他の誰よりも特別だ」とは言えないからだよ。

(『神との対話3』から)


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