神
あなた方は、若い頃は期待と開かれた心を持っているが、年を取ってゆくと夢をあきらめ、期待しなくなる。
この問題の根本には、シンプルな誤解がある。
「夢や希望は自分ではなく、他者に関わるものだ」という誤解だ。
あなた方は、「幸福とは、相手がどこまで応えてくれるか、自分が相手にどこまで応えられるかにある」と思い込む。
だが幸福とは、「あなたが、あなた自身への思いにどこまで応えられるか」なのだ。
人間関係が神聖なのは、『自分を創造する機会』を与えてくれるからだ。
人間関係を、「相手のことを経験する機会だ」と考えると、失敗する。
人間関係では、それぞれが自分の事を考えるべきだ。
「自分は何者なのか、自分は何を求めて創造するのか」を考えれば、人間関係はすばらしいものとなる。
これは奇妙に聞こえるかもしれない。
あなた方は、「相手の事を考えるべきだ」と教わってきたからだ。
しかし本当は、相手にばかり気持ちを向けること(相手にとらわれること)が、失敗の原因である。
マスターは、「相手が何者で、何を要求しているかは、どうでもいい」と知っている。
大事なのは、『あなたが何者であるか』だけである。
ニール
ずいぶん過激な教えですが…
神
よく考えれば、過激ではないと分かる。
多くの人は、「相手への愛情を通じて自分への愛情を求める」という過ちを犯している。
このため、「愛してくれる他者がいないから、自分を憎んでいる」という人が多い。
この状態になると、「相手は本当に自分を愛しているのだろうか」とか、「いつまで愛してくれるだろうか」、などと心配になる。
そして、愛情をつなぎとめておくために、本当の自分とは違うふるまいを始める。
こうして、自分を失ってしまう。
ニール
どうして、そんな過ちを?
神
人間関係の本来の目的を、見失うからだ。
あなた方は、『自分が望む自分になる喜び』のために、生まれてきた。
だから最初の関係は、自分自身との関係である。
まず自分自身を大切にし、自分を愛する事を学ばなければならない。
マスターたちは、「あなたは私と同じく神聖である」とあなた方に伝えたが、あなた方は受け入れる事ができなかった。
これからは、自分を中心にしなさい。
自分が何者であるか(何者になるか)を、考えなさい。
(『神との対話1』から)