約束② 約束を守る事は、強制してはいけない

 神

変化は、万物の基本原理だ。あなた方は変化をする。

変化をするのだから、「私は変化しない」という約束は、決して出来ない。

ニール

だから、約束を守るのが難しいのですか?

 神

そうだ。

もう一つの理由は、『誠実さとぶつかる』からだ。

「本当の自分はこうだ」と相手に言っても、その後に変わる。

だから、深い葛藤が生じる。

「どちらに従うべきなのか。本当の自分か? 相手に約束した自分か?」という葛藤だ。

ニール

どうすればいいのですか?

 神

他人を裏切らないために自分を裏切ること、それも裏切りだ。
それは、最悪の裏切りだ。

ニール

でも、それでは、そこら中で約束が破られてしまいますよ!

 神

ほう、あなたは人が約束を守ると、信用していたのか?

あなたの人生がみじめだったのも、無理はないな。

ニール

確かに、みじめだった時もあります。

 神

みじめになったのは、「本当に幸せでいられるのか?」と心配したからだ!

そんな心配をしたのは、あなたの幸せが『人が約束を守ってくれるかどうか』で決まったからだ。

ニール

すると、約束を守ってくれると期待する権利もないと、おっしゃるのですか?

 神

どうしてそんな権利が欲しい?

人があなたとの約束を破る理由は、「もう約束を守りたくない」か、「約束を守れないと感じる」からだ。

相手がそう思っているのに、どうして守らせたいと思うのだね?

どうして本人の意思に反する事を、強制したがる?

ニール

ええと、こういう事じゃないですか?
相手が約束を守らなければ、私が傷つく。

 神

すると、傷つくのを恐れて、相手を傷つけるわけだ。

ニール

約束を守ってもらうのが、傷つける事になるとは思いませんが。

 神

向こうは傷ついたと思うだろう。
そうでなければ、約束を守っていたはずだ。

ニール

すると、相手が傷つくのを避けるために、自分が傷つくのを見ているべきなんですか?

 神

相手を『約束というくびき』から解放してやれば、その当座は自分が傷ついたと感じるだろう。

だが、長い目で見れば決して被害を受けてはいない。

相手に自由を与えれば、自分も自由になる。自分も解放される。

相手に無理やり約束を守らせれば、必ず自分の尊厳や自尊心が傷つく。

そのため、当面の被害は無くなるが、はるかに大きい長期的な被害が起こる。

(『神との対話3』から)


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