神
ほとんどの国は、行動を正当化するために、自国の行動についてウソの理由を挙げる。
ニール
なぜ、そんな事をするのでしょう?
神
真の理由を知ったら、人々が支持をしないからだよ。
国民を正しい方向に導こうとする政府は、ほとんどない。
権力者は決して、自分がどうやって権力を握ったかを悟らせない。
政治とは、目的を達成するために「言う必要のある事だけを言う」、技術だからね。
政治は、現実的な技術だ。
大抵の人は利己的に行動すると、露骨に見抜いている。
だから、国民にものを与える施策を立案するのが上手い。
元々、政府の目的は「維持し、守ること」だった。
だが、それに「提供すること」が加わった。
提供をし始めた時、政府は社会を「作り出す」ようになった。
ニール
でも、人々が望む社会を作り出している、のではないですか?
神
個人個人が力と創造性を持てば、自分の面倒は自分で見られる。
必要なのは、『人々の意識の変革』であって、集団的良心の押し付けではない。
多くの場合、あなた方の法律は、「国民はこうあるべきなのに、そうではない」という、権力者の考えを表している。
ニール
「少数のエリート」が法律を通じて、「無知な大衆」を動かしていると?
神
その通り。
ニール
それの、どこがいけないのですか?
神
「多数者」にとって一番いいのは、自分で自分を統治する事だよ。
政府に指図されていたのでは、成長できないし、偉大にもなれない。
だいたい、偉大な社会にはあまり法律は必要ではない。
ニール
公正な競争ができるように、法律を作るんです。正義が通るために。
神
法のない社会を作れと言っているわけではない。
「自己の利益をもっと大きく定義し、きちんと理解した上で、法律を作ったほうがいい」と言いたいだけだ。
ほとんどの法律は実際には、「権力者が、すでにどんな権利を持っているか」を記している。
例えば、タバコと大麻だ。
政府は、大麻は身体に良くないからと禁じるが、タバコは許す。
タバコが許されている理由は、経済つまり権力だよ。
あなた方の法律は、「どんな社会にしたいか」ではなく、「どこに権力があるか」を反映している。
ニール
では、どうすればいいのですか?
神
法律をできるだけ、少なくすることだ。
(『神との対話2』から)