神
新しい世界では、誰もが人間らしく暮らしていくのに必要なものを与えられる。
そのために、豊かな者は所得の10%を貢献として差し出す。
所得については、開かれた市場が個々の貢献の価値を決めるだろう。
ニール
それでは、「豊かな者」と「貧しい者」が居るんですね。
平等じゃないですよ。
神
機会は平等だよ。
それに、誰でも人間らしく暮らせる機会を、生まれた時から与えられる。
ニール
所得差があれば、「羨望」はあるんじゃないですか?
神
羨望はあるが、嫉妬はない。
羨望は、二歳の幼女が「お兄ちゃんのようにドアのノブに手が届くといいな」と思う気持ちで、悪い事ではない。
むしろ、偉大さの母だ。
一方、嫉妬は不安から生まれ、怒りへとつながり人を殺す。
羨望を持った者には、成功する機会が与えられる。立ちふさがる者は、誰もいない。
人種・性別・階級・年齢など、どんな理由の差別も、もう許されなくなる。
所得差はあるが、「飢える者」や「極貧の者」はいない。
ニール
多くの者が貢献をすると、どうやって保障するのですか?
神
保障は『人間性』だ。
平均的な人間は、ただ生きているだけでは満足しない。
あなた方に霊的な変化が起こって、力で成功する必要が無くなれば、「優れた経験をすること」が努力の理由になる。
魂は、より高い経験を求めている。
一瞬でも本当のすばらしさを経験した者は、誰でもその事を知っている。
ニール
新しい秩序においても、とんでもない富と力を持った者が出るんじゃないですか?
神
収入には、制限がある。
所得には下限があるように、上限も設けられる。
ニール
一つ言いたい事があるのですが。
神様は、政治について意見を言ったりはしないのだと思っていました。
神
私は、あなたの色々な質問に答えた。
どうすれば人間関係が上手くいくか、正しい生き方とは何か。
それとこの話と、どう違うのだろうね?
ニール
分かりません。
ただ、神様が政治的だったりするとは、思っていませんでした。
神
私の話している事に、賛成しにくいのかな?
それなら、それでいいのだよ。
ニール
えっ、神様に反対してもいいのですか?
神
当たり前だ。
いいかな。世界はずっと、私に反対してきた。
人々が私の導きに従っていたら(私はたくさんのマスターを送ってきた)、今とは別の世界になっていただろう。
反対したいなら、反対しなさい。
あなたの心に従いなさい。自分の魂に耳を傾けなさい。
私は自分で考えさせたいのだ。
私は、「考えているあなた」「考えを表現しているあなた」なのだよ。
ニール
それじゃあ、この対話は「至高の源」から発しているのではないのですか?
神
いやいや、もちろん至高の源から発しているよ!
しかし、あなたが信じられないでいる事が一つある。
『あなたが至高の源だ』という事だ。
あなたが人生の全てを、いま創り出しているのだ。
さて、私からの新しい政治システムの提案で、変えたい点はあるかな?
ニール
実は、特にはありません。どっちかと言うと賛成です。
神
新しい社会でも、好きなだけ稼ぐ事が出来るし、ある限度までは所有できる。
限度は、皆で決めればいい。
ニール
限度を超える分は、どうなりますか?
神
貢献する者の名前で、世界慈善基金にゆだねられる。
60%の使い道は自分で決められ、40%は世界連邦の費用に充てられる。
ニール
ある限度以上の所得が取り上げられても、人は働くでしょうか?
神
一部の者は、途中で働くのをやめてしまうだろう。
しかし、人生の活動を喜びだと思う者は、やめないだろう。
ニール
皆が楽しい仕事をできるわけではないですよ。
神
いや、誰にでも出来る。
職場の喜びは、「何をするか」ではなく、「何を目的にしているか」で決まる。
「どんな気持ちで、どんな目的でしているか」によって、活動の体験は変わる。
ニール
それにしても、「限りない所得を得る可能性」を排除する目的は何なのですか?
神
所得に制限は無いのだよ。
ただ、「個人が使うためにとっておく額に、制限がある」だけだ。
『人生の最高の目的は、富を溜め込むことではなく、偉大な善をなすことだ』という認識。
『富の集中が、破壊を生む最大の原因だ』という認識。
これが生まれれば、所得の上限制度は自然に行われるだろう。
(『神との対話2』から)