神
国家の間には、常に食い違いがある。
それは、健康な個性の現れにすぎない。
だが、食い違いを暴力で解決しようというのは、どうしようもない未熟さの現れだね。
国家がその気になれば、暴力的な解決を避けられない理由は、全く無い。
あなた方が、戦争に勝てると思っているあいだは、戦争は無くならない。
(私たち=すべての生命は、一体なのであり、誰かに勝つ事はあり得ない。
戦争で人を殺したり、人を抑圧したり、財産を奪うことは、自らを傷つける行為です。
つまり戦争に勝てるというのは、それ自体が妄想なのです。)
ニール
では、どうしたらいいのですか?
神
短期的には、統一された世界政府を創り、世界裁判所で紛争を解決する事だ。
そして世界平和維持軍を創って、どんな国でも他国を攻撃できないようにする。
こうすれば、小国が大国にすがって自らの資源を安売りしたり、小国が大国に軍事基地を造らせて守ってもらう必要は無くなる。
新しいシステムでは、一国が侵略されたら、全ての国が立ち上がるだろう。
「こういうシステムは、国の独立性や個性が失われる」と言う者もいるが、本当は逆で、国の独立性や個性は強まる。
この新しいシステムでは、大国が資源を支配して溜め込む事はできず、平等に資源を分け合わなくてはならなくなる。
ニール
富の再配分について話しているように聞こえます。
働く意欲が、無くなりはしませんか?
神
これは、「誰が一生懸命に働き、誰が働かないか」という問題ではない。
それは、議論の単純化だ。
持てる者は、いつもその論法を使う。
働く意欲は、『意志よりもチャンス』の問題なのだよ。
だから、誰でもどこの国でも、平等のチャンスが与えられるようにする事だ。
ニール
アメリカの実業家は、海外に工場を移転させて、「奴隷並みの低賃金でも、現地の人にとっては大きなチャンスなのだ」と言います。
現地の人は、自分達が生産した商品を買うことが出来ません。
商品は、外国に運んで売られます。
神
「持てる者」がチャンスを提供するという名目で、「持たざる者」から搾取し続ける限り、戦争は不可避だね。
ニール
富と資源の支配が制度化されているから、公平な心を持った人達までが、「開かれた市場経済なのだから、それでいい」と思っているように見えます。
神
「公平だという幻想」が可能になっているだけだ。
世界の大多数の人々は、押さえつけられている。
私が説明した新システムは、資源の公平な分ち合いを実現させるだろう。
こうした新しいシステムを提案する勇気を持った指導者が、現れてきている。
しかし提案をした勇気ある指導者が、みな一期しか務めずに職を追われているのは、興味深いね。
ほとんどの人が、狭い考え方しか出来ていないのだ。
だから、長期的な解決(霊的な意識の進化)が緒につかない限り、いつまでも事情は同じだろう。
長期的な解決とは、『すべては一つである』という認識、愛の意識だ。
(『神との対話2』から)