ニール
「輪廻転生はインチキな教義であり、人生は一度きりだ」と言う、宗教もありますね。
神
それは正しくない。
ニール
こんなに重要なことを、どうして間違えるのでしょうか?
神
まず、『不安を利用した宗教が、たくさんある事』を、理解しなくてはいけない。
ある宗教などは、「毎週日曜日に教会に通わなければ、神の罰を受ける」とさえ主張した。
これは不安を利用して、人々をコントロールしようという試みだ。
神の事を、「人間と同じように自分勝手で、復讐心が強い」と信じている限り、いつまでも地獄を信じ、地獄に落とす神を信じるだろう。
多くの人は、「人はもともと善であり、適切に行動する」と、信じられなかった。
だから自分を律するために、神は罰を与えるという宗教を創り出した。
輪廻転生という考え方は、「神は罰を与える」という教義を破綻させる。
ニール
どうして、破綻させるのですか?
神
輪廻転生を説く者は、「この後にもチャンスはあるし、さらにその後にもチャンスはある。心配しなくていい。ベストを尽くせばいい。」と言った。
教会は危険を感じ、二つの行動に出た。
まず、「輪廻転生の教義は、異端だ」と否定した。
それから、『告解の秘蹟』を編み出した。
告解は、輪廻転生と同じ事を約束した。
つまり、もう一度チャンスを与えたのだ。
ニール
そうして『告解』、つまり「ざんげをしない限り、神の罰を受ける」という考え方が、出来上がったのですね。
神
そうだ。
告解が良い切り札だと気づいた教会は、まもなく「告解をしないのは罪だ」と宣言した。
ところが、別の問題が生じた。
人々は、「ざんげさえすれば、何をしてもいいのだ」と考え、人々の心から不安と恐れが消えたのだ。
人々は教会に通わなくなり、年に一度『告解』をしに来るだけになった。
教会はもう一度、人々の心に不安と恐れを、叩き込まなければならなくなった。
そして、『煉獄』が考え出された。
ニール
煉獄ですか?
神
そうだ。
この新しい教義で、「たとえざんげをしても、神はあなたを罰するのだ」と宣言した。
この教義では、神は魂のそれぞれに、犯した罪の数と種類に応じた罰を言い渡す。
「大罪」と「軽い罪」という考え方が生まれた。
こうして、また教会に通う人は増え、特に献金が増えた。
煉獄の教義には、「金を払えば、罪は許される」というものも、含まれていたからだ。
ニール
はあ…?
神
大金を払えば、「免罪符」をもらう事ができる。
さらに、莫大な献金をすると「全免償」というものをもらえる。
これは、天国への直通切符だ。
一般の大衆は、金が無いので免罪符をもらえず、不満と恨みがつのった。
教会に通う者は、また減りそうになった。
ニール
今度は何をしたのですか?
神
『九日間の祈りのロウソク』を考え出した。
教会に行って、「煉獄に居る魂」のためにロウソクをともし、九日間の祈りを捧げると、亡くなった愛する者の「刑期」を、何年か減らす事ができる。
より早く、煉獄から出られるわけだ。
ニール
驚いたな!
人々はそのからくりに、全然気づかなかったのですか?
神
そうだ。
ニール
教会が、「輪廻転生は偽りだ」と宣言したのも当然ですね。
神
私は、あなた方を創造した時に、一度の生涯しか送れないようには創らなかった。
一度の生涯は、必ず犯す間違いを犯しそれから最善を望むには、短すぎる。
輪廻転生は、私の目的にぴったりだ。
あなた方は度重なる生涯を通じて、私が宇宙に置いた沢山の意識ある被造物を通して、自分を創造し、経験する。
ニール
それでは、別の星にも生命体がある…。
神
もちろん、あるとも。
私達は、進歩し「なりゆく者」だ。
真の自分について高い考えを創造し、そこに到達したとたんに、もっと高い考えを創り出す。
こうして、旅は永遠に続く。
(『神との対話3』から)