神
感謝の念は、神との友情の第一ステップ~第六ステップまでを実行すれば、自然に起こる。
ニール
どうして感謝が必要なのですか?
感謝を示さないと、だめなのですか?
神
感謝を要求しているのではない。
だが、感謝をすれば、良いものがもっと速くあなたに届く。
それは、感謝とは「在り方」だからだ。
最も迅速に創造をするのは、『超絶意識』だ。
『超絶意識』とは、超意識・意識・潜在意識の三つが一つになり、それを超えた段階だ。
それは思考を超えた場で、あなた方の真の状態だ。
この真の状態こそが、最初の原因だ。
思考は創造の道具だが、あなたのすべてを創造するのではない。
思考は、『存在するすべて(神の総体)』に手を差し伸べて、その中から求める経験を選び出す。
すべては、すでに存在している。
あなたが考える事で存在させるのではない。
あなたの真の存在(真の自分)が、思考に先立って、在る。
「今、どんな自分で在りたいか」を考えた時、あなたは真の自分(全的な自分)に手を差し伸べて、経験したい部分に焦点を合わせる。
あなたの「全的な自分」とは、『すべてであるもの・神』だ。
思考は、「全的な自分」には影響しない。
だが思考によって焦点を合わせて、求める経験を現実にできる。
これは、「全的な自分」のある部分から、別の部分に移動するだけなのだよ!
例えば、悲しい時に楽しい事を考えれば、幸せに移行できる。
あなたは、望む状態に移動できる。
移動できる事を知って、望む状態で在ることを、宣言すればいい。
ニール
以前に、「知っている事は、その通りになる」とおっしゃいましたね。
神
その通りだ。
それを知っていると宣言すれば、そうなる。
最も強力な宣言のかたちは、「私は、何々である」という言葉だ。
これは、ある状態の宣言だ。
宣言は、存在(状態)への近道だ。
宣言は、真の自分の中の、経験したい部分を呼び出す。
存在は「最も迅速な創造方法」で、思考よりも創造的だ。
なぜなら、在り方とは「たった今そうだ」という事だからだ。
考えるのには時間がかかるが、存在には時間がかからない。
考えると時間がかかるし、「自分はそうはなれない」という否定的な考えも生まれる。
ニール
それが真実なら、考えるのは最悪の事ですね!
神
ある意味ではそうだ。
マスターはすべて、理性の外に居る。
ただシンプルに、存在する。
考えは、存在を遅らせる、あるいは否定をする。
ニール
俗っぽい例を挙げれば、恋人に「私を愛している?」と聞かれて、「考えてみよう」なんて言うようなら、上手くはいかないって事ですね。
神
よく分かっているではないか。
時間がかかっても構わないなら、好きなだけ時間をかけて考えればいい。
思考は、創造のための強力な道具だ。そこを誤解しないように。
いま教えているのは、「創造の道具」ではなく、『創造についての新しい理解』だ。
物事はすべて、すでに起こっていると気づく事だ。
存在は「即時的」だ。
それに比べれば、思考は非常に遅い。
例えば、恋は一瞬で起こってしまう。考える間もなく起こる。
考える前に、恋をしている状態(存在)になる。
ニール
よく分かります。
神
感謝も同じだ。
考えるより先に、感謝しているのに気づく。
感謝とは、『状態・存在』なのだ。
ニール
以前にあなたは、「感謝とは、自分が必要なものはすでに持っていると、言明することだ」とおっしゃいましたね。
それは、神に感謝をするというのは、良きものは全てすでに与えられていると、「気づいている状態」だからなのですね。
神
その通りだ。
(『神との友情 下巻』から)