ニール
あなたは、「他よりも優れている道は、無い」と言います。
しかし、すべてが五十歩百歩なら、人は行動する気になれますか?
神
なれる。
あなた方には、「真の自分を表明したい」という欲求があるからだ。
あなたはどうして、ある車を買い、ある服を着るのだろうね?
あなたがする事はすべて、『自分とは何者か』という表現だ。
すべての行動は、自己を定義するものだよ。
「他よりも優れている道は、無い」という新しい福音の要点は、「『自分とは何者か』が、とても重要だ」という事だ。
「あなた方のそれぞれが素晴らしいのであって、誰かが誰かよりも素晴らしいのではない」という事だ。
他よりも優れている宗教、他よりも優れている政党、他よりも優れている経済システムが無いからといって、どれも必要ではない事になるかな?
自分の書く絵が、以前よりも「優れている」と分からなければ、絵筆を取らないのか?
バラが存在するためには、アヤメよりも優れていなければならないのか?
あなた方は皆、『聖なる交響楽』の音だ。
一つの音が、他の音以上に重要ではないからといって、その音を否定するかね?
ニール
しかし、音を外している者がいたら、交響楽は損なわれませんか?
神
あなたは、子供たちの歌を聴いて、半分は音が外れていても美しいと思った事はないか?
ニール
もちろん、ありますとも。
神
子供が音を外したら、あなたは黙れと言うかな?
それとも、上手になるように励ますだろうか?
ニール
もちろん、励ましますよ。
神
あなた方は、私の子供だ。
私はずっと、あなた方の歌を聴いてきた。
「外れた音」など無いのだ、我が子よ。
心から歌うあなた方がいるだけだ。
だから、一生懸命に歌いなさい。
いつも、この事を忘れないように。
『理性が否定するところでも、魂は美を見い出す』
ニール
本当にすばらしい洞察力ですね。
神
人生では常に、魂で見て聞きなさい。
この対話も、魂で見て聞きなさい。
その時に初めて、理解し始めるだろう。
真実を見るのは、魂だ。
理性は、真実を否定する。
神を理解するには、理性から離れなければならない。
外れた音が聞こえたからといって、歌うのをやめてはいけない。
ただ、音を合わせればいい。
(『神との友情 下巻』から)