神
思考とは、夢の中に居る状態だ。考えている対象は、幻想だからだ。
それもよろしい。物質世界は、すべてが幻想だ。
だから幻想について考えるべきだ。
思考は現実を創造する。
だが、時々は考える事をやめるのも良い事だ。
幻想から飛び出すために。
ニール
思考をやめるなんて、出来ますか?
神
出来る。
ます、静かにして居なさい。
そうすると、思考のスピードが落ちてくる。
そうしたら、「何を考えているか」を考えなさい。
ニール
はあ?
神
考えがどこに向かっているかを、考えるのだ。
そして、考えがそこに進むのを止める。
『何を考えているかを、考える』、それがマスターへの第一歩だ。
ニール
頭がくらくらして、理性が吹っ飛んでしまうな。
神
それでいいのだ。理性を置き去りにするのだ。
人はあなたを見て、「頭がどうかしたのですか?」と言うかもしれない。
そうしたら、「そうですとも! すばらしいでしょう?」と答えればいい。
理性の役割は、入ってきたデータを分析する事だ。
だからあなたは、(理性を止めると)データの分析をやめる事になる。
理性は光速よりも速くデータを分析して、情報を送る。
自分の考えに集中する事をしばらくしたら、次には何にも集中しないようにする。
何にも集中しないためには、まず何かに集中する必要がある。
ロウソクの炎を眺めて、何も考えずにただロウソクの炎と共に居る。
しばらくすると、まぶたが重くなり、視野がぼんやりしてくる。
ニール
自己催眠ですか?
神
レッテルを貼るのはよしなさい。
分析するのではなく、ただロウソクの炎と共に居て、その経験にひたりなさい。
やがて自然にまぶたが閉じる。
これで感覚的なインプットが制限される。
そうしたら、自分の呼吸を聞きなさい。
特に吸う息を聞くことだ。
偉大な考えが浮かぶ(インスピレーションが起こる)のは、こういう時だ。
次に、内側のヴィジョンに集中する。
目のすぐ上、額の真ん中にある内側の視界に集中しなさい。
ニール
「第三の目」ですか?
神
そうだ。そこに注意を集中する。
何かを見ようとせず、リラックスして、無や闇と共に居る平和を味わいなさい。
「空」を楽しみなさい。
ニール
しかし、しじゅう考えが浮かんできます。
神
考えが浮かんでくるなら、それを見つめていなさい。
考えを判断せず、ただ見ていればいい。
通り過ぎるパレードの一部として、通り過ぎさせなさい。
静けさを体験しようと思う時ほど、「様々な音」に気づく。
それも、拘らずに通り過ぎさせなさい。
やがてあなたは、大きな平安を発見する。
ただ、今の自分が在るだけになる。
この状態の時に、「青い炎」や「踊る光」が見える時が現れる。
そうしたら、それと共に居なさい。それに入っていきなさい。
ニール
その青い炎や踊る光は、何なのですか?
神
あなたの魂だ。「やあ、こんにちは」と挨拶するがいい。
自分の魂と一つになれば、最高の喜びを知り、『魂のエッセンスは神であること』を発見するだろう。
あなたと私は、一体になる。
この時にあなたは、自分の外側にあるものは、誰も何も必要ではない事を発見する。
ニール
そうなると、もう誰とも一緒に居たいと思わなくなるのですか?
神
誰も何も「必要ではなくなる」、と言ったのだ。
愛と必要性は違う。
誰とも一緒に居たくなくなるのではなく、全ての人と一緒に居たくなる。
今までのように、何かを得るために人と一緒に居るのではなく、一体化を経験するために一緒に居たいと思う。
一体化こそが真実だと、知ったからだ。
そして、あなたは誰とでも恋に落ちる様になる。
(『神との友情・上巻』から抜粋)