医療の常識を疑う、降圧剤など

(以下は『週刊文春2024年9月5日号 和田秀樹の記事』から抜粋)

糖尿病になると、アルツハイマー型認知症になりやすいとされている。

しかし私が長く勤務した浴風会病院の調査では、糖尿病ではない人のほうが、糖尿病の人よりも3倍高くアルツハイマーI型認知症になっていた。

脳にたっぷりブドウ糖が行くほうがボケにくい。

しかも糖尿病の人とそうでない人の生存曲線は、ほぼ変わらない。

日本糖尿病学会は、空腹時は血糖値が126mg/dL超、食後2時間は200mg/dL超を、糖尿病と定義している。
しかしこの数値は厳しすぎる。

私自身は、朝食前の数値が300mg/dLを超えた時だけ薬を飲むようにしている。

高血圧で処法される降圧剤もおすすめしない。

アメリカ医師会の雑誌「JAMA」の論文が、降圧剤を取り上げていた。

4700人(平均年齢72歳で血圧は160~219)を被験者とし、降圧剤を飲んだグループと偽薬を飲んだグループに分け、5年間の追跡調査をした。

その結果は、降圧剤を飲んだグループの脳卒中者は5.2%、偽薬だと8.2%だった。

つまり降圧剤で血圧を下げても、脳卒中の発症率は少し下がるだけなのだ。

塩分の摂取量について厚労省は、1日の量を男性は7.5g未満、女性は6.5g未満を基準にしている。

しかし世界的な調査では、塩分を1日に10~15g摂取している人の死亡率が一番低い。
10gを切ると急に死亡率が上がる。

塩分を減らすと、血圧は下がるが、低ナトリウム血症になるリスクが高まる。
塩分をひかえることにはデメリットもあるのだ。

高齢者の血圧は、130と150で生存曲線は変わらないが、180を超えると悪化する。

私の場合、降圧剤で140に下げたら頭がボーッとして仕事にならなかった。
今は170くらいにコントロールしている。

コレステロールの摂りすぎはよくないという常識も、見直す必要がある。

コレステロールは、免疫や、幸せホルモンとも呼ばれるセロトニンの働きに関わっていて、うつ病や老化の防止に役立つ。

80年近く前の研究で、コレステロール値が高いと心筋梗塞のリスクが高まると分かった。

その一方で、1999年の東京都小金井市の住民を対象にした調査では、コレステロール値が正常値より少し高いほうが死亡率が低いと分かった。

またハワイの調査でも、コレステロール値が高いほどガンになりにくい結果が出た。

ちなみに日本では、ガンで亡くなる人が心筋梗塞で亡くなる人よりも12倍も多い。

東京大学医学部・附属病院の調査では、薬を6種類以上で服用すると、頭がボーッとするといった副作用が出る。

薬が5種類以上だと転倒しやくすなる、との結果も出ている。

薬が多い人は、その薬が必要か見直してみてはどうか。

(以下は『毎日新聞2011年8月22日』から抜粋)

看護学生の6割が実習中に患者から暴力を受け、そのうち4割超が性的な嫌がらせである、との調査結果が出た。

看護士の暴力被害は3割という事で、学生が暴力のターゲットになっていると分かった。


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