タイトルオリンパスのカウフマン社長、シャブ中毒

(以下は『週刊文春2024年11月7日号』から抜粋)

オリンパスのシュテファン・カウフマン社長(56歳)が違法薬物の使用で解任された。

カウフマンの薬物使用を通報したのは、売人のX氏である。

証拠となる通信記録などが、2024年9月22日に同社の竹内康雄・会長の自宅に届いた。
竹内は警察に相談し、社内調査を始めた。

警視庁は、通報前からカウフマンをマークしており、すでに24年6月18日に家宅捜索 していた。

カウフマンの辞任が発表されたのは、24年10月28日である。

週刊文春は、だいぶ前からカウフマンをマークしており、2023年2月11日に薬物取引の現場をカメラに収めていた。

カウフマンがX氏と公園で会い、コカインやMDMA(合成麻薬)を買った現場である。

23年2月28日の取引では、カウフマンはコンビニのATMで20万円を引き出して支払った。これも小誌はカメラに収めた。

小誌は1年8カ月に及ぶ取材で、様々な物証を入手した。

シュテファン・カウフマンは、1968年にドイツで生まれ、2003年5月にオリンパス・ヨーロッパに入社した。

2011年にオリンパスは、巨額損失を隠し続け粉飾決算してきたことが発覚した。
この時に社長になった笹宏行を取締役として支えたのが、竹内だった。

2019年に竹内は社長になり、カウフマンは来日して働くことになった。

その後に同社は、カメラや顕微鏡というそれまでの中核事業を売却し、医療技術の会社に生まれ変わった。

2023年4月にカウフマンは社長に昇進した。

カウフマン社長の役員報酬はケタ外れで、11億3800万円だった。

だがX氏は言う。

「カウフマンは、多い時は1ヵ月平均でコカインを35パケ以上使用し、金額にすれば500万円になる。
この2年間で3000万円近くのコカインを使った。

MDMAでは覚醒剤のジャブ玉を好んで使っていた。
LSDを配達したこともある。」

カウフマンはクスリのやりすぎで体をこわしたが、それでもクスリを続けた。

X氏は言う。

「カウフマンは体をこわしてからも、大量の注文をした。
MDMAは通常はカップルがセックスの興奮用に使うが、カウフマンはシャブ入りの錠剤をカンフル剤として使い、『俺は寝たくないんだ』と言っていた。

彼は2024年4月に、『心電図に問題が出たからコカインを止める』と言ってきた。

さらに『手元にカネがないから、あなたが絵画を買い付けて、それをオリンパスが高値で買う』と言ってきた。」

X氏は、アンディ・ウォーホルの絵画を持つ知人に声をかけ、カウフマンを通してオリンパスに高値で売る手はずをととのえた。

だが2024年6月18日に、捜査員がX氏のアジトとカウフマンの自宅を襲い、X氏は覚醒剤の所持で逮捕された。

カウフマンはクスリを止めていたので、彼の自宅からは見つからなかった。

X氏は自分だけが起訴され、執行猶予の判決になったことに怒り、暴露告発したのである。

(2025年4月6日に作成)


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