大学の学費値上げ問題(以下は『しんぶん赤旗日曜版 2024年6月23日号』から抜粋
2026年1月29日に作成)
日本の大学生たちが、学費を支払うためバイトに追われ、生活に困窮している。
1980年代の後半から、国立大も私大も学費を値上げしてきた。
1971年には国立大の授業料は1.2万円、私大の平均は9.1万円だった。
そこから50年で私大は10倍に、国立大は50倍に値上げされている。
歴史を振り返ると、学費値上げの口実にされたのは、1971年に中央教育審議会が出した「受益者(学生)負担主義」の答申であった。
現在の大学生は、奨学金をもらう人が増えているが、奨学金は返済しなければならず、多額の借金を背負うことになっている。
奨学金の返済残高は、1984年は0.8兆円だったが、2023年は9.5兆円まで増加している。
日本政府は1999年から、学生ローンとも言える有利子の奨学金を増やして、貸す基準も緩めたので、貸りる人が爆発的に増えた。
かつては奨学金は無利子が当然だったが、今では有利子の方が多くなっている。
学費値上げの動きは止まっていない。
中央教育審議会では、私大学長が「公平な競争のために国立大学と公立大学の学費を年間150万円程度に上げるべきだ」と発言。
与党の自民党も、国立大学の値上げを求める提言を、2024年5月27日に政府(自公政権)に提出した。
他にも自民党は、財界の要求に応じて、大学の基礎研究などの予算を削減してきた。
国立大の授業料への公的負担の割合は、日本は32%だが、これはOECD加盟国36ヵ国の中で下から2番目の低さだ。
ちなみにワースト1位は英国である。
公的負担の割合は、1位のノルウェーは92%で、フィンランドが91%、オーストリアが89%で続く。
韓国は40%、米国は36%である。
日本政府は1979年に『国際人権規約』を批准し、高等教育の無償化を約束した。
だが歴代の自民党政権は、これを先送りし続けてきた。
民主党政権になってようやく2012年に無償化に動き出したが、自民党政権に戻ると再び学費の値上げが続いてきた。
日本政府は2000年代の初頭に軍事予算が教育予算を上回り、2024年は軍事費が8兆円まで増え、教育予算の2倍に膨れ上がっている。
軍拡を止めて、教育に予算をふり向けるべきである。
最後に国立大学4年生のTさんの言葉を取り上げる。
「私は有利子の奨学金も借りているので、バイトを3つ掛け持ちしてます。
それでも卒業後は500万円の借金を背負うことになります。
本当は大学院へ行きたいけど、あきらめました。」