海上保安庁
2001年に領海侵犯に武力行使できるようになり、組織を拡大中

(『アジア三国志』ビル・エモット著から抜粋)

日本の公式な軍事予算は、戦後は平和憲法に則って『GDPの1%』を上限としてきた。

(軍事国家であるアメリカの軍事費は、GDPの4%以上である)

だがこの1%には、防衛研究や技術研究への予算は含まれていないし、装備がすごく充実している海上保安庁の予算も含まれていない。

日本の軍事力では、2001年に際立った変化があった。

軍事費の枠に含まれていない「海上保安庁」の法律を改定して、領海侵犯に対して武力を行使できるようにしたのである。

それ以来、海上保安庁の予算は大幅に増え、現在(2008年)は1870億円に達している。

海上保安庁は、500トン以上の巡視船を89隻も擁しており、これは中国の全艦艇の6%に相当するという。

沿岸警備隊である海上保安庁が、これほどに拡大した理由はなにか。

中国との領土争いが、その1つだろう。

もう1つの理由は、ここを拡大させれば正規の海軍である海上自衛隊の手が空き、もっと広い範囲で活動できるからだ。

だからこそ海上自衛隊は、インド洋でアメリカ海軍に給油支援をしたり、インドやシンガポールなどとまで合同演習をしたりできた。

(2014年6月3日に作成)


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