(毎日新聞2013年4月22日から抜粋)
すでに施行されている『個人情報保護法』は、保護に重きを置きすぎると、社会に役立つ情報の流れが滞る恐れが出てくる。
そのために、適用除外の規定が設けられている。
その1つが、報道・大学・政党・宗教団体への監督権限の行使の抑制条項である。
こうした団体に個人情報を提供することは、行政は制限できない事になっている。
ところが、こうした規定があっても、個人情報保護を名目として、「不祥事隠し」や「報道への情報提供を拒否すること」が続き、社会問題となっている。
2012年2月に民主党政権が出した『個人識別番号法案』では、報道などへの適用除外がされていなかった。
内閣は、「番号の部分を黒塗りにして提供をしてもらえば、適用外だ」として、取材活動への影響はないとした。
自公の『個人識別番号法案』では、委員会が権限を行使できる対象を広げている。
そして、報道などへの適用除外は明記されていない。
自公の法案は、個人番号の利用の拡大とともに、委員会の権限が強まっている。
法案には、委員会の権限を強める検討をする規定が設けられている。
山了吉さんは、「自公案は、規制を強化する法案になっている。国民に何の説明もしないまま、表現の自由に関わる修正をしようとしている。」と批判する。
この法案で設置されようとしている『特定個人情報の保護委員会』は、首相に直接所属して、委員長1人と6人の委員は国会の同意を得て首相が任命する。
同委員会は、行政機関や事業者に対して、指導・勧告・命令・立ち入り検査などの強大な権限を持つ。
自公の『個人識別番号法案』は、何人に対しても特定個人情報の提供を禁じて、提供をした場合は罰を科すものである。
現行の各法律よりも、重罰化される。
不正を告発しようとする者は、委員会からの介入や罰を、今よりも覚悟しなければならなくなる。
○村本尚立のコメント
こんな法ですが、2013年6月に成立してしまいました。
しかし、みんなが努力すれば廃案にする事は可能です。頑張りましょう。