(『日本の課題40』池上彰著から抜粋)
中国の人口は13億人、インドの人口は12億人で、アジアだけで世界人口の5割を占めている。
ユーロモニター・インターナショナルの調査によると、可処分所得(手取り収入)が年間に1.5万ドル以上の人は、2009年時点で中国は1.2億人、インドは3400万人である。
これが2020年度には、中国は6億人、インドは3.4億人になるという。
ASEAN全体でも、4億人になるという。
アジアはこれから、世界の工場から進化し、莫大な消費市場になる。
日本国内では望めないチャンスが、そこにはある。
日本が長年のお家芸にしていた「家電」では、世界シェア1位の座を韓国に奪われた。
しかし、日本の製造業が凋落したと考えるのは早計である。
というのも、『韓国製や中国製の家電は、その中身にたくさんの日本製の部品や素材が使われている』からだ。
例えば、液晶テレビに使われる「カラーフィルタ」や「偏光板保護フィルム」「ガラス基板」などは、日本の世界シェアが90~100%である。
外国製の液晶テレビは、こうしたものを日本企業から買っている。
韓国の世界への輸出と、日本から韓国への輸出は、強い相関関係にある。
韓国の対世界輸出が1%増加すると、日本から韓国への輸出も1%増加する。
サムスンが売り上げを伸ばせば、日本のメーカーも儲かるのである。
日本と韓国は、貿易のライバル国だが、お互いに大切な存在でもある。
○村本尚立のコメント
上の情報は、目からウロコが落ちるものでした。
多くの人が、「韓国や中国が伸びると、日本は危うくなる」と言うのですが、一面的な見方なのだと知りました。
最近は、領土問題でもつれてしまい、日韓関係が悪化しています。
それは百害あって一利なしだと、よく分かります。
日本政府の対応は、硬直的すぎると思います。
(2013年8月9日に作成)