(以下は、ハーバービジネス・オンライン『草の根保守の蠢動』から抜粋)
看過できないニュースが飛び込んできた。
大阪落語で唯一の寄席「天馬天神繁昌亭」が、中曽千鶴子をゲストに呼ぶイベントを、2015年8月に予定しているというのだ。
中曽千鶴子は、「最悪のヘイトクライム」とも言われる「徳島教組への襲撃事件」の首謀者である。
彼女はこの事件で、刑事・民事の両面で訴追されている。
だが、彼女は一切の反省をせず、以前と変わらぬヘイトスピーカーだ。
今回の繁昌亭でのイベントは、噺家の桂福若が主催者だ。
桂福若は、ヘイトスピーチ活動をしている「尊皇隊」なる団体に所属している。
見逃せないのは、彼と「生長の家・本流運動」の関わりだ。
「生長の家」は、現在は左傾化し、政治との関わりを一切絶っている。
この路線変更に我慢ならない者達が、「生長の家・本流運動」という、創始者・谷口雅春が説いた路線の堅持を目指す運動をしている。
この運動の最大組織が、『谷口雅春先生を学ぶ会』だ。
『谷口雅春先生を学ぶ会』に、桂福若は参加している。
彼は、日本会議の事業センターから、「誰でもわかる憲法改正の話」というDVDを出している。
今や「安倍首相の後継の最有力候補」とも呼ばれるまでになった、稲田朋美・自民党政調会長。
稲田は、東京靖国一日見真会の講演で、生長の家の経典「生命の実相」を紹介し、「これを祖母から受け継いだ」「ボロボロになるまで読んだ」と語った。
稲田が講演したこの会では、中島省治も講演した。
中島は、生長の家の書籍を出版するために設立された「日本教文社」の社長を、かつて務めていた人物だ。
中島は講演の中で、生長の家の月刊誌である「月刊 生長の家」の第1000号を取り上げて、こう批判した。
「月刊生長の家の1000号は、節目を寿がない。
82年の生長の家の歴史を否定している。
彼らは潜在意識の奥底で、自分たちには1000号を寿ぐ資格がないと思っているのだろう。
現在116号を迎えた『谷口雅春先生を学ぶ』誌こそが、実相界における1000号なのだ。」
中島省治が批判しているのは、現在の生長の家である。
万雷の拍手から見て、会場の人々もこの見解に同意しているのが分かる。
現在の生長の家は、政治活動から完全に手を引き、「エコロジー左翼」になっている。
この路線を中島らは否定し、谷口雅春の教えに帰れとの原理主義を唱えているのだ。
機関誌『谷口雅春先生を学ぶ』の創刊号を探したところ、創刊号から第12号までを合本したものを入手した。
発行人は中島省治だが、編集人は百地章だ。
百地章は、「集団的自衛権を合憲とする憲法学者」として、菅・官房長官が名前を挙げた人物である。
官邸のイデオローグ(理論的指導者)の立場にいた百地は、『谷口雅春先生を学ぶ』の編集人だったのだ。
同誌の第5号の告知コーナーでは、「我が師 谷口雅春を語る」とのイベントを告知している。
注目すべきは、イベントの場所だ。「塚本幼稚園」とある。
塚本幼稚園は、愛国教育で有名で、園児に「教育勅語」や「日の丸行進曲」や「愛国行進曲」を唱和させている。
(この幼稚園は、狂的な教育をしています。
その教育ぶりは、ネット上に動画があるので、ぜひ確認していただきたい。
私は、ここでの洗脳的な教育に驚き、以前に1度、「とても危険」と日記で言及した事があります。
そんな幼稚園ですが、安倍晋三の妻・昭恵らは、教育方針を絶賛しています。)
上記のイベント告知では、連絡先に「籠池」という名前が見える。
この籠池なる人物は、同幼稚園の園長である籠池泰典と同姓だ。
こうした情報を総合すると、彼らをつなぐ『生長の家・原理主義』という1本の線が、浮かび上がってくる。
日本会議の椛島有三らは、生長の家から離脱した人々だ。
彼らは教団に反旗を翻し、『生長の家・原理主義』の運動を展開してきた。
その運動に、稲田朋美らが参画している。
(2016年3月25日に作成)