安倍政権を見極める⑥
労働者派遣法の改正案

(毎日新聞2014年11月29日から抜粋)

○ 嶋崎量(弁護士)の話

衆院解散で廃案となった『労働者派遣法の改正法案』について、改めて問題点を指摘したい。

安倍政権は、「この改正は、派遣社員の待遇改善や正社員化につながる」と力説している。

だが、そもそも派遣労働という形態が、雇用の安定とは対極にある。

もともと派遣労働は、「賃金の中抜き」や「雇い主の責任が曖昧になること」から、厳しく規制されていた。

それが、1985年に派遣法が成立して以来、規制緩和が続いて現在に至っている。

今回の改正案は、「派遣の利用は臨時的・一時的」という大原則を放棄している。

現行制度では、専門26業務以外は、派遣社員の受け入れは最長で3年である。

ところが改正案では、専門26業務という区分(縛り)を廃止し、3年ごとに人を入れ替えれば、ずっと派遣社員に任せられる。

この改正案が実現すると、結局は派遣労働者は増え、正社員も増えないだろう。

正社員が派遣労働者に置き換えられる恐れがある。

派遣労働を増やせば、将来の展望を描けない家庭が増えて、少子化は加速してしまう。

この改正案は、安倍政権の成長戦略の1つである。

(2014年12月11日に作成)


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