貧富の格差が進んでいる
大企業と資産家への大減税という流れを、変えなければならない

(『消費税の廃止を求める関西連絡会』のHPから抜粋)

今の日本は、3人に1人が非正規雇用、5世帯に1世帯が国保料を滞納していて、3世帯に1世帯が年間所得は300万円以下です。

貧困率は高まってきています。

日本では、貧富の格差が年々進んでいます。

厚生労働省の調査では、『国民を所得によって5グループに分けて、最も少ないグループと最も多いグループの差を見ると、1981年には7.4倍だったのが、99年には61倍、2002年には168倍になった』と分かりました。

生活保護を受けている世帯は100万を突破し、貯蓄のない世帯の割合は24%に拡大しています。

消費税の導入以降の15年間で、消費税の税収は136兆円にのぼりました。

その一方で、法人3税(法人税・法人住民税・法人事業税)の税収は、減税政策により131兆円も減りました。

これを見れば、「消費税は、法人減税の穴埋めに使われた」と言っても、過言ではないでしょう。

2003年には、相続税と贈与税の最高税率が、70%→50%に下げられました。

この穴埋めにも使われています。

日本憲法の理念は、「税金は、経済的な能力に応じた負担とする」です。

ところが、この20年くらいは、大企業と資産家への大減税が行われてきました。

まず、この事を正す必要があります。

小泉政権は、庶民には「定率減税の廃止」「配偶者特別控除の一部廃止」「老年者控除の廃止」「消費税の免税点の引き下げ」などの増税を行いました。

その一方で資産家には、「株式配当・譲渡益の減税」「相続税と贈与税の税率の引き下げ」をしました。

そして大企業には、「研究開発・IT投資への減税」「連結納税制度の創設」といった減税を行いました。

小泉政権を継いだ、第1次の安倍政権は、「法人税率の引き下げと、その穴埋めを消費税の増税で行う」という政策を打ち出しました。

しかし第1次・安倍政権は、2007年に参院選挙があるので、消費増税は封印しました。

そして、参院選挙後に増税を議論して、08年に国会へ提出する構えを見せました。

(※その後に退陣になった)

(なお第2次・安倍政権は、消費税の10%への増税を決め、最近は「法人税を10%下げる」との方針を打ち出しています)

「大きい政府」と「小さい政府」という言い方があります。

新自由主義は、「小さな政府にすれば、財政赤字は減り、景気も良くなる」と主張します。

そして、規制緩和と民営化を進めようとします。

しかし、日本・アメリカ・カナダなどの小さな政府指向の国は財政赤字となっており、スウェーデンやデンマークといった大きな政府の国は財政黒字なのです。

ヨーロッパ諸国の福祉は、決してお金だけをばらまくものではありません。

福祉にはたくさんの働く人が必要です。雇用も生まれるのです。

もし大学までの授業料が無料なら、子供の学資をためなくてもいい。

生活保障がしっかりしていれば、老後のための蓄えもいらない。

北欧は、そういう社会です。

日本は、「法人税が高い」とされていますが、「IT投資減税」や「研究開発減税」などを考慮した実効税率は、決して高くありません。

日本国憲法では、「税金は福祉に使われるべきだ」となっています。

私たちは、税金の使い方について、意見を言っていかなければなりません。

(2014年2月2日に作成)


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