辺野古の軟弱地盤

(以下は『東京新聞 2018年7月18日』から抜粋)

米軍の新基地建設が予定されている沖縄県・名護市辺野古は、海底に軟弱地盤があると発覚した。

元土木技術者の北上田毅氏が、沖縄防衛局が実施したボーリング調査の結果を、情報公開請求で入手した。

そのボーリング調査の文書で明らかになった。

北上田氏が話す。

「数値を見てびっくりした。
護岸建設予定地の付近の2地点で、N値がゼロだったからだ。

N値は、大きいほど地盤が固い。
N値は50以上が大型の構造物にはふさわしい。

N値がゼロというのは、マヨネーズのような軟弱地盤で、このまま基地建設工事をすれば巨額のカネをかけて地盤改良をしなければいけなくなる。」

この問題を国会で問われた防衛省は、「総合的に判断する」と言うのみで、設計変更の動きを見せていない。

北上田氏は、最新のボーリング調査結果を公開するよう請求したが、沖縄防衛局は先月(2017年10月)に「不存在」として開示を拒んだ。

そのため北上田氏は提訴した。

(以下は『しんぶん赤旗日曜版 2023年7月30日』から抜粋)

沖縄県・名護市辺野古の(米軍)基地建設では、埋め立て予定地の大浦湾の側に、軟弱地盤が広がっている。

そのため、日本政府は(基地の)設計変更を迫られたが、それには沖縄の県知事の承認が必要である。

玉城デニー・県知事は承認せず、埋め立て工事は進んでいない。

防衛省は、(知事の承認がないのに)埋め立て用の土砂を置く工事の手続きを始めたため、市民が怒っている。

防衛省の工事を受注する関係者は明かす。

「辺野古側の工事はもうすぐなくなるが、防衛省は無理やりに仕事をつくっている」

沖縄平和市民連絡会の北上田毅さんは言う。

「防衛省の狙いは、工事が止まるのを避けて、順調に進んでいると見せかけること。県民の諦めを狙っている。」

元名護市長の稲嶺進さんが言う。

「辺野古の基地の埋め立ては、85%は軟弱地盤がある大浦湾側です。

自公政権(岸田内閣)の閣議決定した安保3文書で、再び沖縄が最前線の戦場にされそうになっています。

米国の戦争に巻き込まれて、沖岸を戦場にすることは、あってはならない。」

稲嶺進さんは、こうも語る。

「日本政府(自公政権)は、自分たちの都合で法律も条例も解釈し、閣議決定1つで憲法の解釈まで変える。
まるで専制国家です。

沖縄は、米軍の統治下に27年間も置かれた過去があり、その時は行政も司法も立法も牛耳られました。

そうした不条理は、日本に復帰後も変わりません。

玉城デニー知事は県民との公約を守り、辺野古の基地建設を阻止しています。
知事をしっかり支えていきます。」

軟弱地盤の改良には、349万立方メートルの海砂が必要とされる。

埋め立てに使う土砂は、県外からの外来生物の侵入防止の県条例があるため、県外から持ち込めない。

そこで防衛省が注目したのが、沖縄本島・南部の土砂である。

しかし本島南部は、かつて米軍が侵攻してきた時に激戦地だった所だ。

だから、今でも戦没者たちの骨が見つかっている。

このため沖縄タイムズなどは、「戦没者や県民を冒涜する判断だ」と批判している。

遺骨収集ボランティアの具志堅隆松さんは言う。

「沖縄戦で戦死した日本兵のうち、沖縄県外の人は6.6万人でした。
今も全国に遺族がいます。

その遺骨を土砂として、当時は敵軍だった米軍の基地建設に使うのは、裏切り行為でしょう。

本来ならば、遺骨を集めて遺族に帰すのが、国の仕事です。

防衛省のやっていることは、戦没者の使い捨てです。

昨年12月に閣議決定された安保3文書は、南西諸島の米軍と自衛隊を強化して、沖縄を相手国からの攻撃の盾にしようしています。」

(2024年5月6日に作成)


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