(毎日新聞2014年8月19日から抜粋)
防衛省は2014年8月18日に、アメリカ軍の普天間飛行場を名護市辺野古に県内移設するため、『埋め立て海域の地盤を調べるボーリング調査』を始めた。
防衛省は今年度中に埋め立てに着手する方針だが、11月には沖縄知事選が控えている。
午前11時頃に、防衛省は反対派の不在を狙ったかのように作業をスタートさせた。
午後になると反対派のカヌー7隻が接近したが、すぐさま20隻の海上保安庁のゴムボートなどに囲まれた。
カヌーに乗った名護市の男性は、「海上保安庁の威圧感はすごい。悔しい。」と語った。
海上抗議を率いているヘリ基地反対協の安次富浩・代表は、疲れた表情で言う。
「国との力の差は歴然としているが、現状の抵抗を最大限続けるしかない」
「掘削開始(ボーリング調査開始)」の一報に、7月に結成された『島ぐるみ会議』のメンバーらが大型バス2台で駆けつけ、抗議者は400人に膨れ上がった。
沖縄平和運動センターの山城博治・議長は言う。
「11月には知事選がある。諦めずに続ける。」
抗議の輪は、広がりつつある。
移設に反対する沖縄県選出の国会議員らは、23日に反対集会を開くことを決めた。
1000~2000人を集めるという。
仲宗根悟・県議は言う。
「県民の7割以上が反対しているのに、工事が強行されている。新基地は造らせない。」
稲嶺恵一・前知事のブレーンを務めた比嘉良彦は言う。
「ボーリング調査は、移設の既成事実にはならない。
移設に反対する県民がこれで諦めるはずがなく、むしろ火に油を注ぎ、移設を推進する仲井真・知事の立場を厳しくする。
11月の知事選は、移設に賛成か反対かが、はっきりと争点になるだろう。
政府だけでなく、沖縄県民にとってもごまかしがきかず、結果に対して責任が問われる選挙になる。」
(以下は『しんぶん赤旗2014年8月24日』から抜粋)
○ 金城 徹(那覇市議)の話
沖縄県民の7割以上が、「辺野古移設に反対」です。
これは、自民党支持者の中にも移設を容認しない人々がいるという事です。
先日に、私を含む(辺野古移設に反対する)自民党那覇市議団11人が、党県連から除名されました。
公約を反故にした側(仲井真知事の側)が、公約を守ろうとする者を除名する。
それで県民の理解を得られるはずがない。
日本政府は、海上保安庁や県警を前面に立てて、辺野古の埋め立て現場を封鎖し、秘密裏に準備工事の入札もしています。
「そこまでやるか」と思います。
地元への配慮がいっさい無い。
我々はこれまで、「オール沖縄」の立場で、県内移設反対を訴え続けてきました。
保守と革新の立場を乗り越えて、基地建設を力ずくで進める政府に対し「これ以上の基地は受け入れられない」と明確に表明しましょう。
(以下は『新婦人しんぶん2014年9月4日号』から抜粋)
○ 島 洋子(琉球新報)の話
名護市辺野古へ行ったが、そこで奇妙な光景を見ました。
基地移設に反対する市民と対峙しているのは、オリンピック選手が多く在籍することで知られる民間警備会社(おそらくALSOK綜合警備保障のことだと思う)の人達です。
その後ろに県警の機動隊が居て、工事の発注者である防衛省職員はその内側に居り、米兵はゲート奥で様子見をしている。
『米軍基地の移設を、沖縄防衛局の職員が見守り、職員を県警が守り、県警を民間警備会社が守っている』と揶揄されている光景です。
抗議の座り込みに参加している人達を見ると、家族連れが何組もいました。
小学生の子2人を連れたお母さんは、「こんなにきれいな海が埋め立てられるのは、許せない。子供達にも、大人が基地に反対している光景を見せたいと思って。」と話す。
東京では政府側の人達が、「辺野古で反対しているのは、特定の活動家だ」と流布している。
しかし、辺野古の座り込みを見れば、真実が分かるでしょう。
8月23日には、3600人が何時間もバスに揺られて、辺野古に集まりました。
戦争体験者である、辺野古に住む85歳の女性と、普天間に住む86歳の女性は、「戦争につながる基地は要らない」と声を挙げていた。
民間会社の社員を最前線に立てて工事を強行しようとする日本政府は、このおばあさん達に正面から向き合えるのだろうか。
琉球新報と沖縄テレビの最新の世論調査では、81.5%が「安倍政権を支持しない」と答え、79.7%が「県内移設に反対」と答えています。
これが、沖縄県の世論なのです。
(2014年11月12日に作成)