米の自給率は100%
だがWTOのルールにより海外米を輸入している

(以下は『日本の課題40』池上彰著から抜粋)

日本の小麦の自給率は、わずか11%である。
それも、うどんなどに向く品種である。

その一方で、米は100%の自給が出来ている。

日本は、不必要な海外産の米を、毎年大量に輸入している。

その理由は、WTOには関税で国内産を守る場合、代償として一定量を輸入する(ミニマム・アクセス)というルールがあるからだ。

日本に『ミニマム・アクセス米』が入ってきたのは、1995年からである。

2000年からは、毎年76.7万トン(国内消費量の8%)を輸入している。

MA米の2008年末までの総輸入量は、902万トンである。

そのうち、主食用で売却されたのは94万トン、味噌などの加工品になったのは337万トン、海外への援助用は232万トン、飼料用は139万トン、在庫は97万トンである。

日本政府はMA米を、もっぱら加工用として売却しているが、売れ残った分や海外援助分は財政負担となる。

これまでの財政負担の総額は、1300億円超である。

(以下は『毎日新聞 2012年12月6日』から抜粋)

日本では、減反政策でコメの値下がりを抑える一方、輸入米に778%の高い関税率をかけて、コメ農家を保護してきた。

2011年度に「戸別所得補償制度」が本格的に始まり、115万件に計5366億円が支払われた。

当初は貿易自由化に備える目的だった同制度は、バラマキ政策に変質した。

JA全中は、TPP反対派の中心的な存在となっている。
正組合員だけでも483万人を擁するJAグループの中央会だ。

(2013年8月8日に作成)


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