東京オリンピックの利権と再開発

(東京新聞2021年12月24日から抜粋)

東京オリンピック・パラリンピックの開催経費が、1兆4530億円だったとの見通しを、同大会の「大会組織委員会」が発表した。

この金額は、招致した時の見通しの2倍である。

2013年の招致ファイルには、開催経費は7340億円と書かれていた。

「大会組織委員会」は、オリンピックが1年延期され、コロナ感染対策もあったので、3000億円の追加経費を見込んでいた。

しかし無観客試合にしたり、海外関係者を絞ったことで、1000億円ほどですんだ。

国と東京都の追加経費は生じないという。

しかし、経費の中身はブラックボックスになっている。

「大会組織委員会」は、民間の公益財団法人であることを理由に、支出の細かな内訳を明らかにしていない。

さらに言えば、経費は、国や都の他の予算に付け変えられているものも多い。

(2023年5月19日に作成)

(東京新聞2023年3月18日から抜粋)

音楽家の坂本龍一が、明治神宮外苑の再開発について、見直しを求める手紙を、小池百合子・東京都知事らに送った。

「100年かけて守り育ててきた樹木を犠牲にすべきではない」と訴えている。

東京都は、再開発事業を許認可する立場にある。

外苑の再開発は、三井不動産や明治神宮などが行う。

都はこの再開発計画のために、建築規制を大幅に緩和した。

東京新聞の取材に、坂本龍一はこう説いた。

「私は3年近く厳しい闘病を続けてきましたが、未来のことを考えた時、あの美しい場所を守るため、後悔しないように陳情の手紙を出すことにしました。

樹木は万人に恩恵をもらたしますが、開発は一部の既得権者と富裕層だけに恩恵をもたらします。

現在の開発案は、近視眼的な既得権者のためとしか思えません。

あの場所はオアシスの様で、都市の中に自然の豊かな姿を見せてくれています。

パリやローマといった都市は、100年変わらずに歩ける街で、観光資源としての大きな魅力があります。

都市の風景や自然環境を守ることは、可能だと考えています。」

(2023年5月21日に作成)


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