自民党・安倍派の西村康稔・議員、複数の疑惑

(『週刊文春2023年12月28日号』から抜粋)

自民党・安倍派の「5人衆」の1人で、パーティ券をめぐる裏金疑惑で経済産業大臣を辞めた西村康稔(にしむらやすとし、61歳)。

週刊文春は前号で、西村氏の架空パーティ問題を報じた。

これは政治資金パーティと称しながらも、会場はホテルの小さな会議室で、出席者もサクラとして駆り出された10人足らずの経産官僚だった事件だ。

この架空パーティで、西村氏は数百万円を儲けていた疑惑がある。

ある安倍派幹部はこの報道を見て、「誰が見てもおかしいだろ...」と小誌の記者につぶやいた。

西村氏は政治資金パーティを多く開いてきたが、注目されるのは必要経費に対する収入、つまり「利益率」の高さだ。

2021年11月25日の特別セミナーでは、収入は1560万円だが、経費支出は22万円で、利益率は約99%だ。

西村氏の古参の支援者は言う。

「西村氏は総理大臣を目指しており、そのためにカネが必要と考えている。

彼が初当選した頃に、私が会いに行ったら、開口一番で『月10万円以上の献金をしてくれる企業を10社、探してほしい』と言われ、 閉口しました。」

西村氏は2021~22年にかけて、安倍派の事務総長をしていた。

安倍派の会計責任者は、「事務総長が裏金の還流を把握していた」と告白している。

そこで西村氏と、彼の秘書を長くつとめたA氏が、特捜部に聴取されると見られている。

そんな中、衆院・第一議員会館の6階にある西村氏の事務所で、不穏な動きがあった。

自民党の関係者は言う。

「捜査が入る直前の2023年12月15日に、西村事務所の秘書たちが大量の段ボール箱を運び出した。

段ボールの送り先は、西村氏の地元・明石市にある事務所だった。

さらに秘書たちは、大量の書類を同じフロアのゴミ捨て場に処分していた。

証拠隠滅ではないかと、ささやかれている。」

西村氏には、新たな疑惑もある。

彼の秘書をしていた、大山三愛(おおやまみつえ)との関係である。

大山氏は、2023年2月に西村氏の私設秘書となり、7月には西村・経済産業大臣の秘書官に就任した。

大山氏はそれまで政治家の秘書経験はゼロだったが、高額な給料が支払われることになった。

大山氏は、離婚歴があるシングルマザーで、男性X氏の紹介で西村事務所に入った 。
X氏は、西村氏の大スポンサーである。

経産省の関係者は言う。

「大山氏は西村氏とタメロでイチャイチャと話し、西村氏の住む議員宿舎によく出入りしています。」

(※補足するが、西村康稔氏には妻子がいる)

2023年11月12日~17日にかけて、西村大臣らは、アメリカのサンフランシスコに外遊した。

この外遊に大山氏も同行したが、政府関係者はこう明かす。

「西村氏は、隣室と行き来できる仕様のコネクティング・ルームに泊まった。

そして隣室には、大山氏が泊まった。」

本来は、大臣の隣室にはSPが宿泊する。

ところが西村氏は、大山氏が隣室に泊まるよう指示したのである。

泊まったホテルには、コネクティング・ルームは4つあるが、それは1泊10万円や、1泊60万円である。

こうした費用は、航空代もホテル代も、全て税金から出ている。

西村氏と大山氏に取村したところ、2人はコネクティング・ルームに泊まったことを否定した。

だが、別の経産省関係者が証言する。

「週刊文春から、この件の取材の依頼書が西村事務所に届いた直後、西村氏の秘書が『絶対に部屋割りを言うな』と、経産官僚に口止めしてきました。」

(2024年5月19日に作成)


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