(『しんぶん赤旗日曜版2022年9月4日号』から抜粋)
○山口智美(米モンタナ州立大学・准教授)の話
統一協会(世界平和統一家庭連合)と自民党が癒着するのは、同じ目標を持っているからだ。
統一協会のジェンダー観は、個人よりも家父長的な家族秩序を重んじるもので、自民党と共通している。
統一協会は、「選択的な夫婦別姓」や「男女の共同参画」や「同性婚」に反対してきた。
これは右翼団体の集まりである「日本会議」も同じで、多くの自民党議員は「日本会議・国会議員懇談会」に所属している。
自民党は、統一協会と日本会議の意向をくんでいる。
2003年に宮崎県都城市で、「都城市・男女共同参画社会づくり条例」が制定された。
これは性的少数者の権利を盛り込んだ画期的なものだったが、統一協会系の新聞である『世界日報』は、「都城は同性婚の解放区になる」と攻撃した。
その後、富山県では、『世界日報』に男女共同参画を批判する記事を書いた人(後に統一協会の広報局長になった)が、男女共同参画・推進委員に就いた。
そして男女共同参画の理念からかけ離れた政策を進めた。
福井県でも、『世界日報』に寄稿する人が男女共同参画・推進委員になり、図書館のジェンダー関連本の撤去を求めた。
このように統一協会は、自治体の公募に応募して男女共同参画・推進委員になり、その運動を 壊そうとしてきた。
2015年に東京都渋谷区で、「同性パートナーシップを認める条例」が成立すると 、統一協会は渋谷に本部があるため危機感を抱いたようで、反対のネット署名などを始めた。
「選択的な夫婦別姓」が法律でいつまでも認められないのは、自民党らと統一協会や右翼団体の癒着が背景にある。
(2024年6月12日に作成)