(以下は『しんぶん赤旗日曜版 2016年8月7日』から抜粋)
安倍政権(自公政権)は8月2日に、28兆円の経済対策を閣議決定した。
この28兆円のうち公共事業が10兆円以上を占めており、目玉はリニア中央新幹線である。
これは、東京から名古屋までを2027年に開業することを目指している。
橋山禮治郎(アラバマ大の教授)が解説する。
「リニア新幹線は経済性がありません。
2013年の記者会見で、JR東海の山田佳臣・社長 (現会長)は『絶対にペイしない(採算がとれない)』と言いました。
東海道新幹線の利用者が乗りかえるのを想定していますが、乗りかえが起きてもその分、東海道新幹線の利用者が減るので、タコが自分の足を食べるのと同じです。
リニアの建設費は最小でも9兆円かかり、現行の新幹線の3倍の電力消費で、維持費も高い。
そこに公金を投じれば、国民にツケが回されることになります。
またリニア新幹線は、東京から名古屋の間の86%をトンネルにするため、トンネル崩壊の危険性が高い。環境破壊も深刻です。
リニアの開発を進めてきたのは日本とドイツだけですが、ドイツでは『実用化の価値がない』と判断し、議会が中止を決めました。」