大阪カジノ計画の汚職疑惑

(しんぶん赤旗・日曜版2022年4月17日号から抜粋)

大阪市は、カジノ事業者に人工島「夢洲」の約49ヘクタールを、カジノ事業の用地として35年の借地契約で貸し出す計画だ。

(※ちなみに東京ディズニーランドは51ヘクタールの広さである)

大阪市の松井一郎・市長は、「借地料を毎年25億円ずつもらって、30年で750億円の収入になる」と宣伝している。

しかし、カジノ事業者であるアメリカのMGMと、日本のオリックスは、事業用地の液状化対策の費用などで「790億円を出すように」と、大阪市に要求した。

松井市長は了承し、公費の投入を表明した。

これまで松井一郎は、「カジノにいっさい税金を使わない」と公約していた。

それを、あっさり反故にしたのである。

公費を投じる以上、液状化対策などの具体的な内容や、その金額について、市が精査する必要がある。

だが松井市長は、カジノ事業者の言いなりで790億円を出すと決めた。

桜田照雄(阪南大学の教授で、カジノ問題を考える大阪ネットワークの代表)は、こう語る。

「松井市長ら大阪維新の会は、MGM・オリックス連合が撤退しないように、すがりつくしかない。

なぜなら撤退されたら、『カジノを成長の起爆剤にする』との看板政策が破綻するからだ。

大阪府・市が、カジノ事業者と2022年2月に結んだ協定は、事業者に有利な契約になっている。

公金の投入を約束しており(第13条の2)、事業者の一方的な撤退を認める事由を列挙し(第19条)、協定の秘密保持を求めて市民の検証を阻む条文(第25条)まである。

撤退の事由には地盤沈下があるが、夢洲は軟弱で地盤沈下は避けられない。

そのうちに地盤沈下の対策として、MGM・オリックス連合は新たな公金投入を求めるのではないか。」

大阪カジノの計画は、来場者を年間2000万人と想定しているが、その試算は事業者任せである。(※つまり根拠が薄弱である)

〇有川博(会計検査院の元局長)の話

790億円の対策工事をすれば、その分だけ土地の価格は上昇する。

だから大阪市は借地料について、上昇した価値を含めて再計算するのが通常だ。

しかし大阪市は、地価の上昇を反映させずに、借地料を据え置いている。

これは、カジノ事業者に税金を渡したと、見る事ができる。

カジノ事業者が対策工事の費用を算出して、工事の契約までするのも、問題だ。

市が費用を算出して、入札と契約をすべきだ。

いくら費用がかかっても借地料(土地の価値)が変わらず、工事費を大阪市が負担するのならば、対策工事費を低く抑える理由が無くなり、むしろ工事の請け負い業者と結託して、工事費を大きくするほうが都合が良くなる。

この構図は、『森友学園の汚職事件』を想起させる。

森友事件は、森友学園が国有地内のゴミを撤去して、その費用を8億円超とし、それを国が認めた結果、その国有地の価値は9億5600万円だったのに、1億3400万円で売却されることになった。

国の場合は会計検査院がチェックするが、地方自治体の場合は住民が監査請求や住民訴訟で追及できる。

大阪市の対応が問われることになるだろう。


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