(以下は『貧困襲来』湯浅誠著から抜粋)
日本政府は、「財政が厳しい。社会保障を減らすか、消費税を上げるかだ。」と言う。
これは、財務省の出してくる2択に縛られている点で、そもそも間違っている。
財務省は、自分たちが困らない選択肢しか提示していない。
全国保険医団体連合会によると、日本では税金のうちわずかしか社会保障に使われていない。
唐鎌直義氏は、「日本の社会保障をEU並みにするには、あと43兆円が必要だ」と言う。
生活保護費は、この10年で1兆円増えたにすぎない。
日本経団連は、法人税の引き下げを求めている。
彼らは、「日本の法人税は、ヨーロッパに比べて高すぎる」と言う。
しかしそれを言うなら、「日本の社会保障はヨーロッパに比べて低すぎる」という話を一緒にしなければフェアでない。
かつて消費税を上げた時、「社会保障のお金が足りないから」と説明された。
では消費税は、社会保障のために使われたのか。
実際には、『法人税の引き下げを補完する財源』として使われた。
法人税収が減った分を、きれいに消費税が穴埋めしている。
(以下は『毎日新聞 2012年8月16日』から抜粋)
国民年金保険料を40年にわたり支払っても、その給付額は月に6.6万円でしかない。
高齢者世帯の13.9%が年収100万円未満となっている。
民主党政権の社会保障一体改革では、低年金者の支援と高年金者の減額をセットで行おうとした。
だが民自公の修正協議の結果、改革は先送りされた。
(以下は『毎日新聞 2012年8月17日』から抜粋)
日本の2007年度の高齢者向け政策支出は、GDPの9.12%とスウェーデン並みだ。
その一方、家族・児童向けの政策支出は0.79%で、スウェーデンの3.35%に遠く及ばず、アメリカをやや上回る程度である。
(2014年7月24日に作成)