(『貧困襲来』湯浅誠著から抜粋)
日本政府は、「財政が厳しい。社会保障を減らすか、消費税を上げるかだ。」と言います。
これは、財務省の出してくる2択に縛られている点で、そもそも間違っていると思います。
財務省は、自分たちが困らない選択肢しか提示していません。
全国保険医団体連合会によると、日本では税金のうちわずかしか社会保障に使われていません。
唐鎌直義さんは、「日本の社会保障をEU並みにするには、あと43兆円が必要だ」と言っています。
生活保護費は、この10年で1兆円増えたにすぎません。
日本経団連は、法人税の引き下げを求めています。
彼らは、「日本の法人税は、ヨーロッパに比べて高すぎる」と言う。
しかしそれを言うなら、「日本の社会保障費はヨーロッパに比べて低すぎる」という話を一緒にしなければフェアではありません。
かつて消費税を上げた時、「社会保障のお金が足りないから」と説明された。
では消費税は、社会保障のために使われたのか。
実際には、『法人税の引き下げを補完する財源』として使われました。
法人税収が減った分を、きれいに消費税が穴埋めしています。
(2014年7月24日に作成)