2012年12月の衆議院選挙(以下は『毎日新聞 2012年11月15日』から抜粋)
11月14日の党首討論で、野田首相は解散を表明した。
同時に野田首相は、特例公債法案、衆院小選挙区の「0増5減」、比例の定数の40削減、一部連用制の導入、を成立させるよう野党に求めた。
野田首相の周辺は、「輿石・幹事長が解散に協力しないなら、野田首相は幹事長から解任させる覚悟もあった」と言う。
13日に野田首相と輿石氏は会談し、輿石氏は「年内解散に反対」を伝えたが、野田首相は拒否していた。
次の衆院選は、最高裁が「違憲状態」と判断した「1票の格差」が是正されないまま実施されることになる。
区割りの固定作業に3ヵ月はかかるためだ。
(以下は『毎日新聞 2012年11月16日』から抜粋)
衆議院が今日解散し、総選挙となる。
太陽の党の石原慎太郎と、減税日本の河村たかしの2人が会見をし、維新の会、みんなの党を含めて4党での合流を目指す考えを表明した。
一方、みどりの風は11月15日に、参院議員4人、衆院議員1人で発足した。
民主党は、衆院議員6人が離党の意向を表明した。山田正彦・元農相など。
(以下は『毎日新聞 2012年11月17日』から抜粋)
衆議院は、11月16日に解散となった。
12月4日の衆院選挙の公示、16日投票が閣議決定された。
維新の会と太陽の党は16日に、近く合流する事で合意した。
太陽が解党して維新に合流する。
太陽の党は13日に結党したばかりで、1週間もたたずに消滅となった。
自民党は、森喜朗、福田、武部、中川秀直、古賀誠らが選挙に出ず引退する。
民主党の羽田、渡部も引退。
公明党の坂口力や、無所属になっていた与謝野馨も引退。
(以下は『毎日新聞 2012年11月19日』から抜粋)
維新の会と太陽の党が合体し、太陽の党が解党して合流したと発表された。
この合体により維新の会の政策のうち、企業団体献金の廃止、脱原発、TPP賛成が棚上げされた。
民主党は、羽田孜(元首相)の長男である羽田雄一郎の公認を認めない事にした。
野田首相の「脱世襲」方針を撤底させるため。
(以下は『毎日新聞 2012年11月20日』から抜粋)
🔵維新の会と太陽の党の合流の内幕
維新の会の橋下徹と太陽の党の石原慎太郎は、10月21日に秘かに会談した。
橋下は衆院選への不出馬を明言した。
すると石原は「1期だけでも俺がやる」と切り出し、4日後に都知事からの辞職と新党結成を表明した。
石原の維新への合流により、石原が「ワンポイント先発」として出馬し、それを足場に橋下が「次」を狙う戦略が固まった。
石原は80歳を迎え、今回の衆院選が最後の機会という思いがあり、橋下に利用されてでもと考えた。
🔵野田首相のTPP固執
民主党党首の野田首相は11月19日に、TPPに反対するなら民主党公認にしない考えを表明した。
これを受けて山田正彦は民主党から離党した。
山田は亀井静香と、同じ19日に新党結成を発表した。
(以下は『毎日新聞 2012年12月5日』から抜粋)
今回の衆院選は、過去最多となる1504人が立候補した。
(※議席数から考えて、意外にも3人に1人くらいが当選するのだと知った。かなりの高確率だと思う。)
世襲の候補者は159人で、全体の1割を占める。
新人の世襲候補の4割が自民党である。
立候補せずに引退する大物議員は、民主党は羽田、鳩山、渡部、藤井。
自民党は森、福田、古賀、中川秀直。
世論調査では、8割以上が「物価上昇は困ったことだ」と回答した。
日銀の白川総裁は、「賃金が上昇しない中で、物価だけが上昇するのは困ると、人々は回答した」と感想を述べた。
白川は、「経済を成長させ、賃金を引き上げていく事が不可欠」とも述べた。
(以下は『毎日新聞 2012年12月17日』から抜粋
2026年8月14日に作成)
🔵民主党の野田代表が辞任表明
民主党の野田代表は、2012年衆院選で大敗したのを受けて、
「敗北の最大の責任は、代表である私にある」と陳謝し、辞任を表明した。
民主党は現職閣僚の多くが落選する大敗北となった。
国民がこれほどの「ノー」を突きつけたのは、期待を裏切られ続けたからだ。
民主党政権は、2009年の政権交代時のマニフェストは破綻し、政治主導は官僚依存へと変質していった。
ねじれ国会で政治は停滞し(停滞したのは野党・自民党が足を引っ張ったのも大きかった)、近隣国との関係悪化もあった。
また、東日本大震災後も内紛と閣僚交代をくり返した。
(以下は『毎日新聞 2012年12月18日』から抜粋
2026年8月17日に作成)
🔵衆院選の当選者へのアンケート
集団的自衛権の行使について、「容認するように見直すべきだ」とする議員は自民党では93%に達した。
維新の会は100%で、みんなの党も83%を占めた。
逆に公明党は83%が「見直す必要はない」と答え、民主党も45%を占めた。
ちなみに2009年の衆院選の当選者は、集団的自衛権の行使について、「容認するように見直す必要はない」が全体の50%を占め、「見直すべきだ」の37%を上回っていた。
9条改正についても反対が51%で、賛成が34%だった。
今回の2012年衆院選の自民党の大勝により、大きく勢力図が変わった。
今回のアンケートでは、「9条改正」については、自民党の90%が賛成した。
維新は84%、みんなの党は78%が賛成だ。
一方、民主党は63%、公民党は90%が反対した。
共産党と社民党は、集団的自衛権の行使にも、9条改正にも、全員が反対した。
🔵宇野重規、片山善博、野中尚人の座談会(民主党の惨敗がテーマ)
片山
今回の選挙は、争点がもろに民主党の評価につながり、民主党だけがダメ出しをされて惨敗した。
民主党は、「消費税は上げません」と訴えて政権を取ったのに、そんなことは言っていなかった様な振る舞いをした。
野田首相は「消費税の引き上げは大義だ」とまで言い始め、世間の人は大嘘つきだと見た。
民主党の再生は、嘘つきだと見られているのを解消する作業から始まる。
野中
民主党は、もう一回分裂したらアウトだと思う。結束していけるかどうかに尽きる。
宇野
民主党は、消費増税をめぐって党を割ったが、民主党も民主党から出た小沢勢力も共倒れしてしまった。
野田首相は無用な純化路線を突き進み、民主党をバラバラにした上、アイデンティティまで失った。
民主党の復活は、生活に不安を抱える人たちに、社会の平等さを回復するモデルを提供できるかどうかにかかっている。
片山
民主党は党員がほとんどいない。
議員たちの基盤は、連合組合と、自身の後援会だ。
消費増税は、組合を動揺させてしまった。
非正規社員などの層を組織化することを、どこかの政党がやらなければいけない。
民主党にやれるかどうかが、党再生の可否につながる。
🔵衆院選の投票先の分析
比例代表の各党の得票率を見ると、自民党は28%で、2009年の衆院選挙から1%しか増えていない。
民主党は09年の42%から16%まで下落した。
維新の会は20%、公明党は12%、みんなの党は9%、共産党は6%、未来の党は6%、社民党は2%である。
絶対得票率は、自民党は2009年よりも1.6%減の24.7%。
自民党は09年よりも総得票数、絶対得票率ともに下回っている。
自民党が制した選挙区の6割強で、民主党や維新の得票の合計は自民党を上回っている。
非自民の票が分散し、自民党が漁夫の利を得た。
1票の格差は最大で2.4倍となった。
2009年の2.3倍から悪化した。
(以下は『毎日新聞 2012年12月19日』から抜粋
2026年6月20日に作成)
🔵自民党の安倍総裁の方針
12月16日に行われた衆院選で大勝し、与党となった自民党は、「経済財政諮問会議」の復活と、内閣に「日本経済再生本部」を新設することを決めた。
両会議を、経済財政政策の「司令塔」にする。
安倍晋三・新総裁は「金融政策、財政政策、成長戦略が三本の矢だ」と訴えてきた。
彼が経済財政諮問会議を復活させるのは、官邸主導にしたいためだ。
かつての小泉政権では、竹中平蔵・大臣の下で民間有識者たちが政策を提案し、公共事業費と社会保障費の削減などの推進役となった。
経済財政諮問会議は年30~40回も開かれ、日銀総裁も必ず出席する。
日銀との対話と、日銀への圧力の場になる。
野田政権では「国家戦略会議」を設置していたが、設置法がなかった。
野田政権で大臣だった前原誠司は、「役所を従わせるには、法的な根拠がある器が大事だった」と反省している。
安倍首相は、首相就任後の初の外遊先として、来年1月に訪米する。
安倍は日米関係の強化を重視している。
安倍は前回、2006年9月に首相に就任した際は、初の外遊先に中国を選んだ。
小泉純一郎・前首相の靖国参拝などで、日中関係が悪化していたからだ。
外務省幹部は、「当時は(小泉政権の対米隷属の外交により)日米関係が非常に良好だったから、中国との関係改善を目指せた」と振り返る。
安倍は、「日米同盟が堅固であれば中国を牽制でき、中国を抑制的にできる」と考えている。
民主党政権では、普天間基地の移設問題などで日米関係は悪化した。
🔵今回の衆院選挙の投票率
投票率は戦後最低となる59.3%だった。
選挙中に毎日新聞が実施した世論調査では、国民が最も重視する争点は「景気対策」が32%でトップ、憲法改正はわずか2%だった。
発足する安倍政権が経済対策に重点を置くのは、理にかなっている。
🔵国民新党は解党へ
国民新党は民主党と連立政権を組んできたが、衆院選で負け野党に転落するのを機に、解党の道を選んだ。
国民新党は、2005年の「郵政民営化法」の時に造反した自民党議員を中心に結党された。
郵政民営化の見直しが党是だったが、「改正郵政民営化法」が2012年4月に成立し、党の役割を終えたと判断したようだ。
(以下は『毎日新聞 2012年12月21日』から抜粋)
🔵民主党の大敗
衆院選により、民主党は4分の1以下の57議席に減り、党内の多くのグループが主要メンバーを失った。
衆院の議席減により、相対的に88人を抱える参院が存在感を増しており、代表選に向けて活発に動いている。
🔵女性議員の増加を求める声
内閣府の世論調査で、女性がもっと増えた方がいい職業の1位が「護員」となった。
韓国では、比例代表の候補者名簿で奇数の所は必ず女性にするように、法律で義務づけている。
これもあり、国会議員の15.7%が女性だ。
(以下は『毎日新聞 2012年12月25日』から抜粋)
🔵未来の党
未来の党は12月24日に総会を開き、人事について協議した。
嘉田代表は、阿部知子・副代表を共同代表とする案を示したが、旧生活の議員から小沢一郎を共同代表にするよう求められ、結論が出なかった。
(以下は『毎日新聞 2012年12月26日』から抜粋)
🔵民主党の代表選、海江田が新代表に
民主党代表選が12月25日に行われ、海江田氏が馬淵氏を破って選出された。
海江田は90票、馬渕は54票だった。
海江田陣営には、参院の労組出身の議員が参加。主流派への反発が結集軸だった。
海江田は自身のグループを持たず、先日の衆院選では小選挙区で敗北したが比例で復活当選した。党内に強い基盤を持っていない。
未来の党の小沢一郎は、昨年8月の代表選では海江田を擁立しており、連携する可能性がある。
🔵自民党の人事
自民党は、党三役に石破茂、高市早苗、野田聖子の3氏を起用すると決めた。
重要な3役のうち2役を女性が占めるのは初。
しかも3人共に無派閥である。
この人事では、「女性登用」と「脱派閥」を打ち出した。
自民党の安倍総裁は、自民党の体質を変えなければ参院選でしっぺ返しを喰うと危機感を持っている。
(以下は『毎日新聞 2012年12月27日』から抜粋)
🔵安倍政権の発足
12月26日の首相指名選挙で、自民党の安倍晋三が選出された。
これにより民主党政権は3年3ヵ月で幕を閉じた。
発足する安倍政権の内閣官房参与には、かつて小泉首相の秘書官を務めた飯島勲 (67歳)、丹呉泰健(5年半に渡り小泉首相の秘書官を務めた)、谷内正太郎、浜田宏一(エール大) の4人が起用される。
🔵未来の党
未来の党は、分裂が決まった。
亀井静香が離党を表明。
嘉田・代表は、「平和的に分党できる方向を探っている」と語った。
(以下は『毎日新聞 2013年1月4日』から抜粋)
未来の党は、嘉田氏が代表を辞任する意向を決めた。
(以上は2024年12月10~11日などに作成した)