日本刀の特徴

(『Newton 2021年12月号』から抜粋)

日本刀とは、たたら製鉄でつくった「玉鋼(たまはがね)」を用いて、鍛えて焼き入れをし、表面を研いだ、反りを持つ刀である。

鋼は、鉄と炭素の合金で、鉄は炭素を加えることで強度が増す。

玉鋼は、炭素量が0.2~1.5%で状態の良いものをいう。
特に炭素量が1~1.5%だと上質とされる。

玉鋼は、「たたら製鉄」という方法でつくられてきた。

製鉄の技術は、朝鮮半島から日本に伝わったが、そこにアレンジを加えたのがたたら製鉄である。

日本は鉄鉱石が少ないので、砂鉄を素材として使用することになったが、それがたたら製鉄の特徴である。

鉄鉱石に比べて、砂鉄は不純物が少なく、強度の高い刀剣がつくれる。

たたら製鉄が始まったのは、5~6世紀といわれている。

たたら製鉄は、3日3晩かけて行われ、砂鉄と木炭を炉に投入していく。

炉内には風が送り込まれるが、「たたら」とは足踏み式のふいごのことである。

3晩目が明けると、粘土でつくられた炉は壊されて、赤く輝く(高熱の)鋼が取り出される。

その鋼は、まず大まかに砕かれ、断面などを見て玉鋼が選別される。
日本刀に使用できる部分は、3分の1ほどという。

玉鋼ができると、刀匠(刀鍛冶屋)に渡される。

刀匠はまず、「水減し(みずへし)」を行う。

水減しとは、玉鋼を高温で加熱し、水に入れて一気に冷やす工程である。
これで玉鋼はさらに硬くなる。

次に「小割り」を行う。

これは玉鋼を鎚で細かく砕く工程で、砕いたものはいくつかのグループに分けられる。

次が「積み沸かし」の工程で、玉鋼のかけらを加熱して(沸かして)、小割りで分けたグループごとに鎚で打って接合し、かたまりにする。

次に「折り返し鍛錬」を行う。

玉鋼のかたまりを叩いて伸ばし、たがねを打ち込んで、そこから折り返して重ねる。

何度も折り返して鎚で叩くことにより、不純物を外に飛び出させる(不純物を除く)が、炭素も減るので炭素量の調整もできる。

この工程で、「鍛え肌」と呼ばれる模様が生まれる。

折り返し鍛錬と平行して、「造り込み」という工程を行う。

炭素量の異なる玉鋼を組み合わせることで、(炭素量の少ない軟らかい玉鋼を心鉄にし、それを炭素量の多い硬い玉鋼で包むことで)、硬さと折れにくさを両立させた刀にする。

造り込みで組み合わされた玉鋼は、加熱して刀身の長さに叩き伸ばされる。
この工程を「素延べ」という。

次が「火造り」で、日本刀の形状になるよう叩いていく。
まだ刀身の反りはあまり出ない。

次に「焼刃土」を刀身に塗る、「土置き」を行う。

そして土を刀に塗ったら加熱し、一気に水で冷やすが、これが「焼入れ」である。

焼刃土は、刃には薄く塗り、それ以外には厚く塗る。
その結果、加熱してから水に入れると、化学変化で刀身が反る。

日本刀の個性となる「刃文」は、焼入れで生じる。
ただし、この時点ではまだ刃文は見えない。(※きれいに研がないと見えてこない)

次に刀匠は、粗い砥石を使って、刀を研ぐ。

ここまで来たら、刀は刀匠の手を離れて、研師(とぎし)に委ねられる。

研師は、研いで表面を整えつつ、刃文が際立つようにする。

その後も、はばきを作る白銀師(しろがねし)や、鞘師、鍔師などの手を経て、日本刀は完成する。

日本刀の製造数は減少し続けているが、まだ日本には200名ほどの刀匠がいる。

たたら製鉄は、一時は途絶えたが、1977年に日本美術刀剣保存協会によって復活した。

現在は、島根県の奥出雲町で毎冬に3回ほど、たたら製鉄が操業し、つくられた玉鋼は全国の刀匠に配られている。

(2022年8月14日に作成)


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