昨日のNHK報道で、『ミャンマーの民主化にともない、ミャンマー~日本間の定期航空便が12年ぶりに再開した。交流が活発化していくだろう』とのニュースがありました。
この事実自体は素晴らしいのですが、その後の報道内容には、がっかりさせられました。
その内容を書き、さらに私の視点を書くことで、日本や世界の社会の問題点を指摘します。
報道の内容はこんなものでした。
「ミャンマーは人件費がとても安い。
一ヶ月の賃金平均は、中国は500ドルだが、ミャンマーは100ドルほど。
バングラディシュの130ドルよりも安い。
人件費が中国の5分の1と、魅力的な状況だ。
進出すれば、大儲けができる。
日本企業の人は取材に応えて、『安い労働力を使えば、競争力を確保できる』と、進出に意欲を示す。」
この様な考え方や企業戦略は、現在の経営手法の主流ですが、ちょっと冷静になってみて下さい。
同じ人間を「安い労働力」などと定義して、「この人間たちを使えば、儲けが多くなる」といった発想をする事は、本質的に恥ずかしいことですよ。
ミャンマーは長く軍事政権が支配していて、やっと民主化されてきたのです。
その事情を考えれば、早く豊かになる事を願って、出来るだけ高い賃金を払うのが、人として自然だと思います。
「中国の5分の1ですむ」ではなくて、「日本や中国並みの賃金を払い、出来るだけ早く、人間らしい暮らしの出来る社会になってもらおう」と考えるのが、本当の在り方ではないでしょうか?
私のような意見に対し、「どの国も貧しいところから出発したんだ。ミャンマーは徐々に技術や資本を蓄えて、50年くらいかけて豊かになるのが当然なのだ」と反論する人がいます。
しかし、この様な「貧しい国が豊かになれるかは自己責任だ」という考え方が、貧困の長期化を生み、戦争の原因にもなっているのです。
こういった古い価値観から脱却して、「出来るだけ相手に力を与えて、早く豊かになってもらおう。そうすれば貧困が無くなり、結果的に戦争も無くなるし、地球全体が豊かになる」という、新しい価値観に移行していく必要があります。
今回の報道からは、『日本人・日本企業は、金を儲ける事でしか世界と関わろうとしていない』という問題点が、はっきりとうかがえました。
本当に問題なのは、「この冷酷かつ独善的な関わり方に、多くの日本人が疑問を持っていないらしい」という事です。
今の日本人が『お金でしか、豊かさやその人の価値を判断できない』という、非常に貧困な状態になっており、『お金があれば、豊かにも、幸福にもなれる』という幻想に、深くとらわれているのがよく分かりました。
この古臭い価値観や幻想を変えていく事こそ、日本人や世界の人々が豊かになるための本当の道です。
私は、頑張りますよ。