ミャンマーと日本の交流活発化のNHK報道を見て
(2012.10.16.)

昨日のNHK報道で、『ミャンマーの民主化にともない、ミャンマー~日本間の定期航空便が12年ぶりに再開した。交流が活発化していくだろう』とのニュースがありました。

この事実自体は素晴らしいのですが、その後の報道内容には、がっかりさせられました。

その内容を書き、さらに私の視点を書くことで、日本や世界の社会の問題点を指摘します。

報道の内容はこんなものでした。

「ミャンマーは人件費がとても安い。

一ヶ月の賃金平均は、中国は500ドルだが、ミャンマーは100ドルほど。
バングラディシュの130ドルよりも安い。

人件費が中国の5分の1と、魅力的な状況だ。
進出すれば、大儲けができる。

日本企業の人は取材に応えて、『安い労働力を使えば、競争力を確保できる』と、進出に意欲を示す。」

この様な考え方や企業戦略は、現在の経営手法の主流ですが、ちょっと冷静になってみて下さい。

同じ人間を「安い労働力」などと定義して、「この人間たちを使えば、儲けが多くなる」といった発想をする事は、本質的に恥ずかしいことですよ。

ミャンマーは長く軍事政権が支配していて、やっと民主化されてきたのです。

その事情を考えれば、早く豊かになる事を願って、出来るだけ高い賃金を払うのが、人として自然だと思います。

「中国の5分の1ですむ」ではなくて、「日本や中国並みの賃金を払い、出来るだけ早く、人間らしい暮らしの出来る社会になってもらおう」と考えるのが、本当の在り方ではないでしょうか?

私のような意見に対し、「どの国も貧しいところから出発したんだ。ミャンマーは徐々に技術や資本を蓄えて、50年くらいかけて豊かになるのが当然なのだ」と反論する人がいます。

しかし、この様な「貧しい国が豊かになれるかは自己責任だ」という考え方が、貧困の長期化を生み、戦争の原因にもなっているのです。

こういった古い価値観から脱却して、「出来るだけ相手に力を与えて、早く豊かになってもらおう。そうすれば貧困が無くなり、結果的に戦争も無くなるし、地球全体が豊かになる」という、新しい価値観に移行していく必要があります。

今回の報道からは、『日本人・日本企業は、金を儲ける事でしか世界と関わろうとしていない』という問題点が、はっきりとうかがえました。

本当に問題なのは、「この冷酷かつ独善的な関わり方に、多くの日本人が疑問を持っていないらしい」という事です。

今の日本人が『お金でしか、豊かさやその人の価値を判断できない』という、非常に貧困な状態になっており、『お金があれば、豊かにも、幸福にもなれる』という幻想に、深くとらわれているのがよく分かりました。

この古臭い価値観や幻想を変えていく事こそ、日本人や世界の人々が豊かになるための本当の道です。
私は、頑張りますよ。


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