野田首相は男を見せた(党首討論)
(2012.11.15.)

昨日の国会での党首討論は、ライブで見ました。

国会中継はほとんど見ないのですが、なぜか昨日は、朝に新聞のテレビ欄を見た時から、
「なんか気になるな、時間を覚えておこう」と思いました。

最初から最後まで討論を見ましたが、とても面白く、オリンピック並みの緊迫感がありました。
まだ詳しく見ていない人は、どこかで探してみると良いです。

この討論が有意義なものになったのは、何と言っても野田首相が利害を超えて、「議員の定数削減を実現しよう」と、自公両党に腹を割って呼びかけた事です。

野田さんは、「国民に消費増税という痛みを求めるのだから、その前にまず議員が身を切る必要がある。各党すべてが定数削減を主張しているのだから、今国会中に成立させましょう。成立したら私は内閣を解散します。」と言いました。

これは正論そのもので、私も完全に賛成です。

その後に安倍さんは、「民主党の削減案は、比例を減らすという中小政党にとって厳しい案だ。さらに連用制という複雑なシステムを追加している。」と言って、すぐには結論を出せないと答えました。

こちらの言い分も、納得できるものです。

私は民主党が削減案を出しているのは知っていましたが、『連用制』を採用している事は知りませんでした。

野田さんは、「連用制は中小政党に配慮したもので、民主党にとって有利なものではない。定数削減については、もう沢山議論してきた。」と反論しました。

あとでテレビの解説を見ましたが、「比例のうち35議席を分離して、比例で大票を取った政党に不利になるシステムで選ぶ」というのが、連用制らしいです。

野田さんは、「来年3月までに決着をつけると、はっきりとここで決めよう。今国会中に成立を出来ないなら、議員の歳費を2割削減しよう」と言いました。

安倍さんは即答しませんでしたが、自民党は討論後に幹部会を開いて、すぐに協力を約束しました。

こういう速い政治決断は、今までほとんどなかったです。

このように各党が素早く対応していけば、日本の政治は簡単に変わっていくと思います。
もっとも、議論を重ねる事も、テーマによってはとても大切です。

議員定数削減は、どの党もマニフェストに書いていたので、野田さんが「今すぐに決められる」と言うのが、説得力がありましたね。

私は、民主党の出した法案に自公が賛成をして、今国会で定数削減の決着をつけて、
選挙では原発、TPP、消費税、外交、無駄な国家事業の廃止、などを争点にしていくべきだと思います。

ここは野田さんの顔を立てるのが良いと思います。

彼は、自分が首相の座から降りるかもしれないと思い、これだけはやっておきたいと思って、
今回の定数削減への協力を自公に求めました。

話を聞いていて分かりましたが、今回の彼には私心が無いです。

野田さんは討論の中で、
「自分が小学生の時に、成績の落ちた時があり、成績表を見た親父に怒られるかと思った。
 だが親父は、コメント欄に野田君は正直者です、と出ているのを見て、意外にも褒めて
 くれた。そこから人生で大事なことを教わった。私は嘘はつかない人間です。」
 と語りました。

政治家はこの様な個人的な話をあまりしませんが、もっと発言したらいいと思いました。

自分が子供の頃に感じた事は、大人になると忘れてしまい、「大人の事情がある」などど誤魔化すようになりがちです。
しかし、子供の頃に感じた事に自分の真実がある事は、実はとても多いと思います。

野田さんは、良い手本を見せたと思います。

安倍さんの後には、小沢さんが登場して、野田さんと討論をしました。

小沢さんは10分しか時間を与えられていないのに、よけいな前置きに5分くらいも使っていました。
つまり、何の必要性も無い話に、半分の時間を費やしてしまったのです。

限度を超えた無駄な時間の使い方に、呆れてしまいましたねー。

私は小沢さんの性格をある程度把握しているので、「不器用な人だから仕方ない」と理解できます。
しかしよく知らない人は、「この人はバカなのか?」と思ってしまうでしょう。

もっと小沢さんは、こういうスキルを上げた方がいいです。

その後には、公明党の山口さんが討論をしました。
こちらは明快な質問・回答を続けて、10分でしっかりと話していました。

今回の討論を見て痛感したのは、『腹を割って本音で話せば、短い時間で問題は解決をする。それは政治の世界でも同じなのだ」という事でした。

政治が停滞をしている時は、どこかの党が本音を出さずに建て前で話しているのだ、と理解できました。

今回の事で、野田政権にかなり好印象を持ちました。
今度の衆院選では民主党は今まで対象外でしたが、対象に入れることにしました。

もちろん、重要なのはマニフェストです。
私は脱原発を最重要に考えているので、はっきりと脱原発を打ち出してくる党に票を入れます。

各党がどのようなマニフェストを出してくるのかが、本当に楽しみですね。
選挙日まで、目が離せません。

先日に民主党は、マニフェストがほとんど達成できていない事について、国民におわびする事を選択しました。

私はこれを高く評価します。政治の世界では、謝らない事も多いからです。
そして謝る事が、物事が前に進むためへの基本的な条件だからです。

いわゆる第三極の党たちは、準備ができていないので大変でしょう。

今回の野田・安倍の合意による「定数削減の決定と衆院解散の実施」は、すごく冷めた視点で
見ると、「現在多数を取っている民自公の3党が、新たな勢力が力をつけないように改めて手を結んだ」とも解釈できます。

各党がお互いのいい部分を認め合って、「出てきた政策のうち、一番良い内容で国民に支持される政策を、可決して実行すること」が大切です。

それをすれば、どこが選挙で勝っても政治は上手くいくでしょう。

(2015年4月15日に追記)

結局のところ、この党首討論の後にすぐに衆院は解散になりました。
そして衆院選では自民党が大勝し、安倍内閣が発足しました。

ところが、安倍政権は未だに「議員定数の削減」をしておらず、約束を完全に破っています。

本当にひどい話ですよ。

安倍政権は、約束を破りまくる最低の政権です。

TPPについては「日本の国益(農業)を守れないなら、交渉から離脱する」と言っていたのに、アメリカの要望に応えるために、JA(農協)つぶしを始めました。

「景気回復を最優先する」と言って選挙戦をしながら、選挙後は集団的自衛権など自分のやりたい事を優先してきました。

安倍さんは、平気で嘘をつきまくる、倫理観の全くない人です。
彼を首相にしていてはいけません。

自民党を支持するのはやめましょう。


日記 2012年10~12月 目次に戻る