特定秘密保護法案⑤
公聴会が福島で開かれたが、意見が完全に無視された
福島から怒りの声
(2013.11.29.)

特定秘密保護法案が衆院で可決される前日(11月25日)に、福島市でこの法案に対する公聴会が開かれました。

福島県の人々は、原発事故の際に情報が操作されたり隠されたりした経験から、「この法案によって、原発の情報が秘密指定となり、隠されてしまうのではないか」との気持ちがあります。

私も、彼らの気持ちがよく分かるし、法案が成立したら今よりも情報が得にくくなると予想しています。

公聴会では、法案に反対する意見ばかりだったのに、与党は翌日に強行採決しました。

おそらく自公には、「公聴会では、賛成意見も出るだろう。それを裏付けに利用すればいい」との思惑があったのだと思います。

しかし、全員が反対や慎重意見だったために、「まずい! このままだと、どんどん反対意見が盛り上がってしまう。今のうちに、無理矢理に成立させてしまおう。」と、自公は考えたのでしょう。

(以下は、毎日新聞2013.11.27.からの抜粋です)

25日に開かれた公聴会では、意見陳述した7人全員が、反対や懸念を表明した。

だが、その声は反映されなかった。

「どこまで福島をバカにするのか」との憤りが渦巻いている。

○ 意見陳述をした浪江町の馬場町長

「(法案の採決が)昨日の今日とはびっくりした。
非常に残念です。

何のための公聴会だったのか。私は何のために出席したのか。」

○ 同じく意見陳述した荒木弁護士

「県民の気持ちを踏みにじった。

言い訳に使われる可能性を感じながら、それでもみんな一生懸命に話したのに、その思いをないがしろにされた。」

公聴会の傍聴券は、政党ごとに割り当てられて、市民には開催すら知らない人も多かった。

○ 市民の大河原さん

「声を上げても伝わらない。

政治家に受け止める気持ちがない事が悲しい。」

○ 市民の森園さん

「陳述者の声がブレーキになるかと期待していたが、どこまで福島をバカにするのか。

国との信頼関係がここまで崩れると、(福島の)復興作業の1つ1つにまで影響してしまう。」


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