特定秘密保護法案が衆院で可決される前日(11月25日)に、福島市でこの法案に対する公聴会が開かれました。
福島県の人々は、原発事故の際に情報が操作されたり隠されたりした経験から、「この法案によって、原発の情報が秘密指定となり、隠されてしまうのではないか」との気持ちがあります。
私も、彼らの気持ちがよく分かるし、法案が成立したら今よりも情報が得にくくなると予想しています。
公聴会では、法案に反対する意見ばかりだったのに、与党は翌日に強行採決しました。
おそらく自公には、「公聴会では、賛成意見も出るだろう。それを裏付けに利用すればいい」との思惑があったのだと思います。
しかし、全員が反対や慎重意見だったために、「まずい! このままだと、どんどん反対意見が盛り上がってしまう。今のうちに、無理矢理に成立させてしまおう。」と、自公は考えたのでしょう。
(以下は、毎日新聞2013.11.27.からの抜粋です)
25日に開かれた公聴会では、意見陳述した7人全員が、反対や懸念を表明した。
だが、その声は反映されなかった。
「どこまで福島をバカにするのか」との憤りが渦巻いている。
○ 意見陳述をした浪江町の馬場町長
「(法案の採決が)昨日の今日とはびっくりした。
非常に残念です。
何のための公聴会だったのか。私は何のために出席したのか。」
○ 同じく意見陳述した荒木弁護士
「県民の気持ちを踏みにじった。
言い訳に使われる可能性を感じながら、それでもみんな一生懸命に話したのに、その思いをないがしろにされた。」
公聴会の傍聴券は、政党ごとに割り当てられて、市民には開催すら知らない人も多かった。
○ 市民の大河原さん
「声を上げても伝わらない。
政治家に受け止める気持ちがない事が悲しい。」
○ 市民の森園さん
「陳述者の声がブレーキになるかと期待していたが、どこまで福島をバカにするのか。
国との信頼関係がここまで崩れると、(福島の)復興作業の1つ1つにまで影響してしまう。」