『特定秘密保護法案』に反対している人は、とんでもなく沢山います。
国民の60%が反対し、90%が慎重な審議を求めているのだから、当然です。
彼らの声を紹介する、パート2です。
(以下は、毎日新聞2013.11.29.からの抜粋です)
○ 同法案に反対する超党派の国会議員は、28日に集会を開いた。
そこで講演した保坂正康の話
「安倍内閣は、平時から戦時に移行させる法体系を作ろうとしている。
今こそ、国民は怒らなくてはいけない時だ。」
保坂は、かつて思想や言論を弾圧した『治安維持法』と今回の『特定秘密保護法案』の類似点を挙げて、こう指摘した。
「中国人の友人を持つ私が、外務省に勤める知人に尖閣諸島の問題を尋ねただけで、『お前は中国人に頼まれて調べているのか』と疑われ、捜査されかねない。
市民の権利は絶対に譲らない、という覚悟が必要だ。
政治が失敗したから、太平洋戦争は起きた。
私たちは、常に政治を監視しなければならない。」
○ 連合も抗議の談話
連合は28日に、衆院での強行採決に対して、「強く抗議する」との談話を発表した。
○ 学者たちも「反対する会」を結成
ノーベル賞を受賞した益川敏英、白川英樹ら、31人の学者は、28日に『特定秘密保護法案に反対する学者の会』を発足させた。
31人の他にも、304人が賛同者に名を連ねている。
会の声明では、次のように強い危機感を示した。
「この法案は、憲法の定める基本的な人権と平和主義を脅かすものだ。
秘密国家・軍事国家への道を開くこの法案に、反対する。
市民の間に批判が広がっているにも関わらず、成立させようとする与党の姿勢は、思想の自由と報道の自由を奪って戦争へと突き進んだ戦前の政府をほうふつとさせる。」
○ 栗原彬(立教大教授)のコメント
「この法案は、かつて全ての情報を統制した、『ナチスドイツの全権委任法』に当たる。」
○ 杉田敦(法政大教授)のコメント
「法案は非常に粗雑で、秘密指定はノーチェックに等しい。
行政府の権力を集中させて、その他の発言権を失わせる意図があるのではないか。」
○ 小森陽一(東大教授)のコメント
「この法案の本質は、『国家秘密の隠蔽法』だ。
国民の主権性を、根本から奪ってしまう。
解釈改憲に明確に結びつくものだ。」
(以下は、毎日新聞2013.11.30.からの抜粋です)
○ 落合洋司(弁護士)のコメント
「特定秘密保護法案は、秘密漏えいの処罰範囲が相当に広い。
公務員だけでなく、一般人にも、教唆・扇動・共謀などの処罰が適用される可能性があります。
そのため、知る権利の行使や市民運動を、萎縮させる恐れがあります。
公務員への影響は、大きいでしょう。
これまでは、秘密漏えいの処罰は、「故意」が対象でした。
それがこの法案では、「うっかりの過失」も処罰されます。
捜査や監視の対象が広がるでしょう。
特定秘密は、周辺情報も守る動きになります。
報道機関の取材は難しくなるでしょう。
これは、『公権力の情報は公開しよう』という世界の流れに逆行している。
裁判になっても、特定秘密の内容が明かされないままになる事も、起こりえます。
裁判を歪める事になる。」
(以下は2013年12月2日に追記)
(毎日新聞2013.12.2.からの抜粋です)
○ 井出庸生のコメント(井出さんは、衆院の採決で反対したみんなの党議員)
「この法案は、国家が国民に足かせをはめかねない。
納得できなかったのは、『秘密指定を告発する者を守る制度』が担保できなかった事だ。
『秘密の範囲から、警察情報を外せなかった』のも問題だ。
警察は今でも、捜査対象車に無断でGPSを装着する事があるようだ。
こうした違法スレスレの行為に、お墨付きを与えかねない。
『最高で懲役10年の罰則』は重すぎるし、『秘密が裁判の場でも明らかにならない可能性』がある事にも疑問が残る。
みんなの党の渡辺喜美・代表は、私が反対を表明すると、「議席を返しなさい」と迫ってきた。
私は拒否し、押し問答の末に、席を立って本会議で反対した。
政治家には、自分の信念を封じ込めてはいけない場面がある。後悔はしていない。」