デモに初参加した感想(前半) いろいろと驚いた
(2013.12.10.)

『特定秘密保護法案』は粗雑な法案で、国民の権利を侵害する違憲といえる内容です。

それを強引に通そうとする自公政権に、私は怒り心頭でした。

怒りのあまり、それまで一度も参加した事のなかった「デモ」に、参加する事にしました。

今回は、その体験記です。

ネットでデモ情報を見た結果、「11月30日に代々木で行われるデモに参加する」事にしました。

このデモは、17時半集合で、18時から1時間の行進を行う内容です。

1時間ほど行進する、という事なので厚着をしていったのですが、それほど寒い日でなかったのもあり、寒さは感じなかったですね。

集合場所は、代々木公園でした。
実際には、NHKの入り口の脇でした。

ネット上に出ていた集合場所の説明が良くなかったので、20分くらい迷ってしまいました。

書いてある場所に行ったつもりでしたが、そこには誰も居なくて、代々木公園は広いので探しまわるのも限界があります。

なんとかたどり着けましたが、探している途中で「このまま合流できずに終わるのではないか」と、かなり焦りました。

こういう民衆活動は、分かり易さ(参加しやすさ)がとても大切だと思います。
主催者は、ものすごくその部分に配慮してほしいですね。

さて、集合場所に行くと、100人くらいの人がおり、マイクを持って語っている人が中央にいます。

主催者の発表によると、この日は150人が参加したそうです。
デモの途中で人数を数えている人がいたので、間違いないでしょう。

出発まで少し時間があったので、腹ごしらえをしようと思い、マイクで熱く語っている人の話を聞きながら、おにぎりを食べました。

マイクで語っている内容は、「この法案は危険である」というものでしたが、具体的な危険性について触れていません。

私は聴きながら、(あまりにも漠然としすぎている。もっと具体的に語らないと、人々の心には届かないなあ)と思いました。

演説というのは、実に難しいものです。
漠然としていると説得力が無いし、具体的に語って聴き手にしっかりと理解してもらうには、時間や落ち着いた環境が足りないです。

『事前にしっかりと準備をしないと、演説は効果を生み出せない』と思いました。

演説をした人は3人ほどでしたが、その中の1人が「警察は敵だ、権力者の犬だ」と言いました。

これを聴きながら、(それは言い過ぎだろ。昔の学生闘争みたいな事を言う人が、未だにいるんだなあ)と驚きました。

集合場所のすぐ近くには、パトカーが1台止まっていて、点滅するライトを回転させています。

デモに初参加の私は、(監視しているのだろうか…)と思いました。

しかし、実際は違いました。誘導のためだったのです。(詳しくは後述)

デモ行進が、定刻にスタートしました。

初参加の私は、後ろの方に付いていきます。
とりあえず、後方で様子を見る事にしました。

後方に位置取りしたのに、途中から参加してきた人が多かったのか、しばらくすると中段に位置していました。

私がまず驚いたのは、警察のパトカーがデモを先導し、警察官が何人もデモに随行して誘導してくれる事でした。

この事は、映像や写真でデモを見る限りでは分からなかったし、私はまったく知りませんでした。

さらに随行する警察官が皆、誠実に仕事して、デモとぶつかる一般車の通行をうまくコントロールするのには感心しました。

何となく、警察はデモを煙たがっていると信じていたので、デモの行進のために労を惜しまない姿にはビックリしました。

警察官を見ていると、嫌そうに仕事をしている人はいなくて、普段よりも活き活きしている感じすらしました。

彼らを見ていて、「警察官の方々も、この法案には反対なのかな。このデモに共感しているのかな」と思いました。

次に驚いたのは、デモが大通りをガンガンと行進していき、一般の方々の通行を止めながら悠然と進んでいく事でした。

代々木公園からスタートして、すぐに渋谷の駅前に入ったのですが、私も何度も通った事のある、渋谷の大通り(メイン・ストリート)を進んでいくのです。

「まさかこの大通りを、デモに参加して通る日が来ようとは…。人生とは分からないものだなあ」と思いましたねー。

渋谷に行った事のある方なら分かると思いますが、渋谷の駅前はとんでもない混雑ぶりなんです。
人の数がはんぱじゃなくて、人混みの中で酔ってしまうくらいです。

そういった中を、通行を一時的に止めて、信号を無視して進んでいくのですから、本当にびっくりしました。

「デモというのは、すごく力を認められているんだなあ。民主主義の国では、これが国民の意思を表明するものとして、認識されているんだなあ」と身体で理解できましたよ。

デモが通っている間は、通行人の方々は立ち止まって待つわけですが、意外なほど大人しく待っています。
不平・不満を表に出しません。

「さすが日本人だ。忍耐力があるなあ」と思いました。

デモを見る一般の方々は、目を大きく見開いている人が多く、「なんだろう、これは!?」という反応が一番多かったです。

総じて、デモに理解を示していましたね。

私の感触では、このデモで主張している『特定秘密保護法案への反対、廃案を求む』は、通りですれ違う方々の5~6割からは共感を得ていたと思います。

笑顔で見守っている方も、かなりいました。

通行人のうち、5~6割が共感、3~4割が無関心、5%くらいが反感、という感触です。

デモ行進の間はずっと、拡声器で「法案に反対」とか「自由を守ろう」との、掛け声が入ります。

デモ参加者は、その掛け声に応えて同じ言葉を続けて言うのが、デモのルールのようです。

私は、皆と同じ事を盲目的にするのが苦手な性質で、この「掛け声に応える」というのが出来ませんでした。

でも、私と同じ様に無言で参加している人はかなりおり、それで何の問題もないです。

私は縁があって、地元の祭りに毎年参加していますが、デモに参加していて「デモというのは、祭りに似ている」と感じました。

祭りでは、神輿が進んでいくと、通行人や車は止まって待たなければなりません。

また、神輿の担ぎ手は、掛け声を出すのが基本です。

この2点では、祭りもデモも同じです。

実際に外国だと、デモをお祭りのように楽しいイベントに仕上げている場合もあるようです。

私は、今回のデモに参加していて、『日本のデモは、もっと多くの方が参加しやすいものに変える必要がある』と感じました。

今の旧式のデモは、多くの国民にとって敷居が高いと思います。

みんなが楽しく気軽に参加できるスタイルに変えれば、大きなムーブメントにする事も可能だと私は考えます。

「デモは政治的な行動であり、分かり易さとか参加しやすさよりも、激しい闘争にすべきだ」との考えが、日本には残っている気がします。

でも、この考えでは、もう国民の支持は得られないです。

具体的に言うならば、ネット上でのデモ告知とか、配るビラについて、分かり易さとか見やすさをもっと意識した方がいいです。

デモ中に使われる楽器の選定とか、楽器の出すリズムやメロディなんかも、もっと現代的なものを採用した方がいいです。

まだまだ書きたい事があります。

かなり長文になったので、2回に分ける事にします。

(続きはこちらのページです)


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