山口さんの棚上げ発言、鳩山さんの南京大虐殺への謝罪には、感服です
(2013.2.5.)

先日に公明党の山口なつお代表、元民主党の鳩山由紀夫さんが訪中をし、それにからんでとても勇気ある発言をしました。

二人の発言には批判も多いみたいですが、私は高く評価します。

山口さんは、現在の日中関係を険悪にしている尖閣諸島について、「将来の智恵に任せるのは、一つの賢明な判断だ。しばらく静かにしておくのも、大きな智恵だ。」と発言し、棚上げを主張しました。

鳩山さんは、尖閣諸島での領土問題を認めました。

さらに南京大虐殺の記念館を訪れて、謝罪する意志を表しました。

私は、「安倍政権が発足したばかりで多くの人が様子見をしている中、このように自分の考えをはっきりと述べる事ができるこの二人は、本当に凄い」と感銘をうけました。

私が考えている事と同じ事を、このように勇気をもって発言してくれたことに、感謝の念で一杯です。
本当にありがとうございます。

尖閣については、昨日の毎日新聞で丹羽宇一郎さんも、次のようなステキな意見を述べています。

「政府の公式記録には、棚上げの合意は書いてありません。
公式な立場では、棚上げ論はありません。
しかし、外交上の係争があるのは間違いありません。

日本が領土問題は存在しないと言っても、外国から見れば何を言っているんだとなるでしょう。

係争をそのままにしておくわけにはいきません。
ただし、どちらの領土かということは話し合いでは解決は難しい。

(棚上げにして)お互いに頭を冷やし、冷静に考える時間が必要です。

争ったら良い事は一つもありません。
平和にやれば、両方にとって利益です。」

どうです? 良い事を言っているでしょう。

このような考え方を、「弱腰だ。そのように甘さを見せると、つけこまれて損をするだけだ」と言う人々がいます。

しかし、本当にそうでしょうか?

「弱腰だ」と言う人は、「相手への理解や寛容さを見せると、相手に主導権を奪われる」との考えが根底にあるのだと思います。

別の言い方をすると、「外交に限らず、人生のすべてはパワーゲームである。勝つためには、弱みをみせてはならない。相手を圧倒すれば、有利に事が運ぶ。」と考えているのだと思います。

この様な考え方から、『果てのない軍拡競争』や『先制攻撃論』が生まれています。

しかし、人間関係や交渉ごとをよく見ると、『寛容さをみせて相手に歩み寄った方が、話し合いの主導権を握れる』と気付かされます。

なぜなら、常に相手の一歩先を行けるからです。

私は別に「主導権を握って、日本に有利に展開させろ」と言うのではありません。
ただ、「寛容さをみせると、主導権を奪われる」というのはあまりにも浅い理解だし、もっとじっくりと世の中の見てほしいのです。

「中国に歩み寄ってならない」と考えている人は、もし関係が決裂をしてしまい尖閣で軍事衝突があったら、戦争をするつもりなのでしょうか?

様々な利害や交渉で歩み寄りを放棄したために、大日本帝国は敗戦したのではありませんか。
私達は、歴史から学ばなければならないと思います。

南京大虐殺については、日本は素直に認めた方がいいです。

私は、未だに認めたがらない人がいる事が、日本人として恥ずかしくて仕方がないです。

数多くの中国人・日本人・それ以外の国の人の証言があるのに、頑なに南京大虐殺を否定し続けている人々を見ていると、「人間は謙虚な姿勢を維持しようと心がけないと、見たいものだけを見るようになってしまうのだな。気をつけなければ。」と感じます。

日本人は、アメリカが「原爆の投下は正義の行いだった。この作戦によって戦争を終わらせたのだから、日本人も認めるべきだ。」と言うのに対し、猛反発をしてきました。

冷静に見ると、このアメリカの態度と、日本が南京大虐殺や従軍慰安婦をはっきりと認めなかったり、大東亜戦争には良い側面もあったのだなどと美化をするのは、同じメンタリティですよ。

恥ずかしい態度だと思いませんか。

日本は、敗戦後にすぐに冷戦が始まり、米ソの対立の中でアメリカの支配下・庇護下に入ったので、戦後の謝罪と補償をあまりせずに済んだ歴史的経緯があります。

それに甘え続けるのは、そろそろ卒業しましょう。


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