先月26日に行われた、W杯最終予選の日本対ヨルダンを見ました。
日本はアウェーだったとはいえ、1対2で格下相手に負けてしまいました。
私はこの試合で、日本代表のいくつかの課題点を発見しました。
今回は、それを書いていきます。
その前に、一つだけ言っておきたい事があります。
私は最近、「どの国もそれぞれがすばらしいし、そこに上下などない。何かで上下をつけるなんて、愚かだ。」と悟りました。
どのようなスポーツを観戦するのであれ、『本当は、国や人に上下などない。上下をつけるのは、遊びの一環であり、そこに執着してはいけない。』との認識・理解が必要だと思います。
ここで「日本代表が勝てるにはどうすればいいか」を書くのは、日本代表の選手達が真摯に「もっといいサッカーをしたい」と思っているのを感じるし、同じ日本人として彼らに愛を持っているからです。
別に、日本の勝利に執着しているわけではないし、日本代表が勝ったらえらいとか凄いとかは思いません。
あくまで、楽しみ・趣味・遊びの一つとして、スポーツを捉えています。
世界のサッカー・ファンを見ると、サッカーで勝つと「相手国のすべてに勝った」みたいな気持ちになったり、サッカーを「他国との戦争」みたいに考えている人がいます。
こうしたサッカー観は、『他国と親善をはかるためにある』という国際試合の在り方を、曲げていると思います。
スポーツは、爽やかに見ましょうよ!
サッカーを戦争みたいに捉えているファン達は、観戦中もヤジをとばしたりして、全然楽しそうじゃないんですよねー。
さて、ここからはヨルダン戦の感想と、日本代表の課題点を書いていきます。
まず目に付いたのは、『ボールを保持する時間(攻め込んでいる時間)が長いのに、 効果的な攻撃が出来ていなかった事』です。
日本はサイドからセンターリングを上げる事が多かったですが、完全に読まれていました。
これを改善するには、中央突破をもっと使う事です。
この試合では、『中央エリアで、ペナルティ・エリアの少し外側』という、最高においしいエリアで、日本選手はフリーでボールをもらえる事が何度もありました。
10回はあったと思います。
いま世界で最高のサッカーをしているバルセロナの場合、このエリアで誰かがフリーでボールをもらった時は、『前線の選手達は、必ずアクションを起こします』。
前線の選手は、動いてシュートを打てる位置に走りこむか、動いてパスをもらおうとします。
これによって、相手のディフェンス・ラインを崩すのです。
この動きが、日本代表の前線選手たちにはありませんでした。
そのため、ボールを持っている選手はパスを出せず、中央突破ができないのです。
日本の前線の選手たちは、味方が良い位置でフリーでボールを受けた時には、もっとアクションを起こさないといけません。
ボールが来るのをただ待っているのでは、相手のディフェンス・ラインは崩せないのです。
もし前線の選手が動いていれば、ボールを持ったフリーの選手は、「パスを出す」「空いたスペースにドリブルをする」「空いたスペースを生かして、シュートを打つ」の3つの選択のどれかを行えたはずです。
次に感じたのは、『最良のパス選択が出来ていないこと、出来ていても判断が遅いこと』です。
つまり、「フリーの選手がいるのに、そこにパスが出ない」「フリーの選手にパスは出るのだが、出るまでに時間がかかりすぎる」という事です。
私が一番歯がゆかったのは、逆サイドにドフリーの選手がいるのに、そこに「ピュー」とロングパスが出ない事でした。
バルサやレアルなら、絶対に出ますよ。
日本は、逆サイドにボールを出すのに、1回中央の選手に渡して、そこから逆サイドに運ぶのです。
あれじゃあ、遅いんですよ!
一気に逆サイドまで運ばないと、相手に対応されてしまいます。
日本選手の中で、最も効果的な最良のパスを出していたのは、遠藤保仁さんでした。
彼は、バルサの選手並みの良いパスを出すのですが、いつも「判断が遅い」です。
バルサのシャビやブスケツだとダイレクトで出すパスを、遠藤さんはスリー・タッチしてから出しているのです。
このため、パスを出すのが1~2秒遅いです。
遠藤さんはインタビューで、「バルサに入ってプレイしたい。自分が通用するのかを試したい。」と言っていました。
遠藤さんは、バルサの選手並みの良いパスセンスをしているので、判断力を速めて、ダイレクト・パスを多用できるようになれば、バルサでも通用すると思います。
バルサの選手たちは、味方選手がどこにいるかを、背後にいる選手まで把握しているんですよ。
あれは、常識ではあり得ないレベルです。
シャビなんて、常に首を振って、ピッチ全体を見回していますもんねー。
あのマメさ(基本をさぼらない真面目さ)は、凄いの一言です。
日本の守備については、基本的に良かったと思います。
各選手が連動して、組織で守る事が出来ていました。
ボールを持っている相手選手を何人かで囲んでいる場面がかなりあり、「すごく組織的な守備ができているなあ」と思いました。
2点目の失点は、完全に吉田麻也さんの凡ミスです。
あのような状況の場合、「相手の攻撃を遅らせるため」に働かないといけません。
リスクを取ってボールを奪いにいくのは、最悪の選択だったと思います。