ユニクロの同一賃金制度の導入報道から感じたこと
(2013.5.8.)

先日に、ユニクロの柳井社長が、『どの国の社員でも、同じ仕事なら同一賃金を支払うようにしていく』と発言し、社会に衝撃を与えました。

私は、「人間が、生まれた場所や人種によって、同じ事をしたのに違う待遇を受けるのはおかしい。それは差別である。」と考えているので、この発言に注目しました。

私が夢見ている、『すべての国の人が、平等であり平和に共存できる社会』を実現させるためには、同じ仕事には同じ賃金を支払う事が、重要な要素です。

だから柳井さんの発言を知り、「私と同じ夢を見ている」と感じたのです。

しかし、柳井さんの発言をよく調べたら、みんなが幸せに共存できるシステムを目指しているのではないと分かりました。

すごくがっかりしました。
どこにがっかりしたかは、後述します。

私は、グローバルに展開している企業は、どの国でも同じ仕事には同一賃金を支払うのが当然だと考えています。

この意見を聞くと、多くの人は「そうは言っても、各国の経済差があるし、無理でしょ」と思考するでしょう。

この多くの人が持っている考えは、一見するともっともらしいのですが、この考えを受け入れると差別を認める事に繋がってしまうのです。

帝国主義や植民地支配の実体について学ぶとよ~く分かるのですが、差別の最も上手なやり方の一つが『同じ仕事に対して、賃金格差をつけること』なのです。

具体的に説明しましょう。

イギリスやフランスは、数十年前まではアフリカ諸国を植民地にしていました。

そして、アフリカ諸国で働く人々に対しては、同じ仕事内容でも、白人には黒人の10倍の賃金を支払っていたのです。

こうする事で、黒人たちはいつまでも貧しいままに留まり、学問も出来ず生活向上も出来ない状態になっていました。

要するに、賃金格差をつけると経済格差を生み、それが固定化してしまうのです。

この事実を、イギリス等の国は利用したわけです。

日本の国内を見ても、『同じ仕事に対して、賃金格差をつける』という差別は行われています。

男女の賃金格差や、正社員と非正規社員の賃金格差は、よく見られます。

こうした差別を根絶するには、多少の無理があっても、各国の(すべての人の)賃金レベルを同じにする必要があります。

各国の経済発展度に合わせて賃金額を決めていくと、経済格差が固定化する可能性が極めて高くなります。

これは、差別の温床になります。

さて、ここからは私が柳井さんの発言のどこに失望したかを書きます。

柳井さんは、全社員の条件を同じにして、平等な立場で競争させようとしています。
これは問題ありません。すばらしい事です。

問題なのは、「社員全体の競争を加速させていって、将来的には年収が1億円の者と100万円の者に二極化させていく」と言っている事です。

これは、「新しい形の格差を創ります」と宣言しているのと同じです。

柳井さんのしようとしている事は、格差や差別の根絶ではなく、より収益を上げられると考えられるシステム作りなのです。

(私には、このシステムが長期的な収益をもたらすとは思えないです)

柳井さんのやり方は、「付加価値を付けられない社員は、退職していっていい」というコンセプトらしいです。

ですが私に言わせれば、『沢山ある会社の中から、ユニクロを選んで入社してきたこと』それ自体が、すでに会社にとっては付加価値なのです。

ユニクロを選んで入社して、毎日そこで働いてくれているのに、それ以上をなぜ求めるのか?

それ以上を求めるなら、競争を煽るのではなく、社員がいい仕事を出来る環境をつくるのが先でしょう。

ユニクロは、仕事がハードすぎて、退社したりノイローゼになったりする社員が多い事が問題となっています。
この問題は、ユニクロだけではなく、多くの会社で起きている事です。

こんな状態になるのは、社員を宝だと思わずに、使用品や消費物だと思っているからですよ。

「自分の会社に入ってきた人物は、特別な縁があって出会った人なのだ」と考えれば、自然に社員を大切にすると思います。

この考え方は、霊的なレベルで見れば真実そのものです。
人生のすべての出来事は、お互いに引き寄せ合って創られているからです。

柳井さんの様な、「人間には、使える奴と使えない奴がいる。人間の能力には差がある。だから、使えない奴は居なくてもいい。」という認識は、極めて限られた視点による認識です。

もっと大局的に、物事を見てほしいです。


日記 2013年4~6月 目次に戻る