いよいよ、参議院選挙が近づいてきました。
私は、各党の主張に色々なメディアを通じて接しました。
その中で感じた事を書きます。
結論から言うと、私が評価したのは、「共産党」「みどりの風」「緑の党」です。
これらの党は、庶民的な感覚を保持しているし、温かい社会を目指しているのが伝わってきます。
脱原発と憲法9条を育くむことを重視している私には、とても共感できました。
『共産党』の良い点は、他党よりも与党との対決姿勢を見せていることです。
主張が長年ぶれていないからでしょうが、1つ1つの政策の具体性もあります。
私が感心するのは、『日米同盟の破棄』を明確に主張している事です。
共産党は原発即時ゼロを唱えていますが、それを実現するには日米同盟が障害になります。
(同盟の1要素として『日米の原子力協定』というものがあり、それが日本の原発政策を縛っています)
多くの党が原発ゼロを唱えていますが、それを実行する上での鍵となる日米同盟については、共産党以外は態度を明らかにしていません。
私は、近現代史を学ぶ中で、最近のアメリカを見る中で、「日米同盟は、日本の利益になっていないのではないか」との思いを強くしてきています。
だから共産党の主張に対して、違和感を感じません。
『みどりの風』は、党首討論ではやや弱かったのですが、政見放送を見たらかなり好きになりました。
私が共感したのは、元農相の山田さんの話です。
彼はTPPについて詳しく、断固反対の立場の人です。
山田さんは、「このままでは、アメリカ国内でまかり通っている『遺伝子組み換え食品の非表示』など、安全でない食品がそのまま日本に入ってきて、大変な事になる」と言っています。
私も同意見なので、応援したくなりました。
TPPについては、「日本の優れた基準を主張して、それをTPPの基準にしてしまえばいい」と言う人がいます。
しかし、今までの日米関係や自民党の対米交渉史を見れば、それは不可能ですよ。
時間もないですしね。
自民党を大敗させて、それを口実にTPP交渉から離脱するのが、ベストだと思います。
『緑の党』は、党首討論などに参加していないので、いまいち実体が分かりませんでした。
でも政見放送を見たら、なかなか良さそうです。
福島の被災者から2名が立候補するなど、「市民感覚があるぞ」と思わせる雰囲気があります。
緑の党から出るような人は、昔は社民党あたりから出ていたと思います。
社民党が支持を失って受け皿になれず、市民団体出身の人がこうした新しい党から出ている、という印象を持ちました。
私としては、社民党は解体をして、みどりの風や緑の党と合流して欲しいです。
社民党は、言っている事は良いのですが、新鮮味がなくて存在感がありません。
緑の党やみどりの風は、「社民党をもっと現代的にした感じ」がします。
社民党と似ているし、新しい党なだけに、そっちに魅かれてしまいます。
社民党が持っている人脈や組織力と、緑の党やみどりの風の新鮮さや一歩進んだ民主的な組織構成が組めば、すごいムーブメントを起こせると思います。
そして、共産党や生活の党と協力をすれば、政権を取れます。
私が福島瑞穂さんの立場にいたら、これを実行します。
福島さん、ぜひ検討して下さい。
緑の党はいいなあと思うのですが、今回は共産党に票が集まりそうなので、自民党を敗北させるために、共産党に投票する事に決めました。
緑の党は、地道に活動していけば徐々に知名度が上がってくると思います。
そう思えるだけのエネルギー&ポテンシャルを感じました。
今回の選挙の結果に流されずに、活動していってほしいです。
あと気になった党は、『みんなの党』です。
みんなの党の政見放送において、私は驚嘆したことが1つありました。
それは、『ベーシックインカムの導入』です。
渡辺代表は、「みんなの党は、弱者切り捨ての新自由主義だと思われています。でも、新自由主義と決定的に違う所があります。私たちは、ベーシックインカムを導入します。」と言いました。
私は、「マジかよ。それは凄い革新的な事だぞ。本気なのか?」と、心底からびっくりしました。
ベーシックインカムというのは、『何の条件も設けずに、お金に困っている貧困層には人間らしい生活のできる額のお金を給付する』制度です。
一般の政府(行政)の現金給付は、いろんな条件が付けられています。
そうすると、それから洩れてしまう人が出てしまいます。
お金に困っているのに、条件が合わずに給付を受けられないで、餓死したりするのを防ぐために、この考え方は出てきました。
貧富の格差がとてつもない南アフリカでは、いまこの制度を導入するかが検討されています。
南アフリカは資源大国で、一部の人はものすごい所得を得ています。
資源を採掘する産業は、あまり雇用を生まないので、南アフリカは資源大国なのに失業率が高く、黒人の失業率は50%なのです。
こうした状況を解決するために、「一切の条件を出さずに、貧しい国民の全員に一定額のお金を政府が与えよう」というアイディアが出ています。
ベーシックインカムは、まだ導入している国はありません。
それを、みんなの党が実現するというのですから、びっくりしたのです。
長い目で見れば、この制度は世界のすべての国で実現すると思います。
私は、この世界は、皆が贅沢をしなければ、それほど働かなくても暮らせるくらいに豊かだと信じています。
今の様な、みんなが奪い合いにエネルギーを注ぐ愚を冒さずに、分かち合いの精神を持てば、ベーシックインカムは充分可能だと思っています。
私は、ベーシックインカム制度には賛成です。
これは、人類社会の革命的な制度なので、みんなの党はそれに注力して下さい。
先に新自由主義的な(アメリカ的な)政策を行い、貧富の差が開いていった後に、「やっぱりベーシックインカムは出来ません」となったら、完全な裏切りになります。
ですから、みんなの党は、まずベーシックインカムの実現を目指すのがスジです。
最後に、その他の党についての感想です。
『生活の党』は、基本的には共感できるのですが、政策の具体性がないです。
そこが、勢いのない理由でしょう。
政見放送を見ましたが、驚きを与えるものが無かったです。
『自民党』は、本当にどうしようもないです。
政策について、先送りや争点外しが多く、誠意と情熱を全く感じません。
この党に入れようとしている人は、既得権益を持っている人か、古い時代への郷愁(執着)を持っていて新しい可能性に目を閉ざしているか人の、どちらかです。
政策論争の中で、政策に魅力がないのがバレてきて、支持率は下降してきています。
もっと多くの人に、自民党の駄目さに気づいてほしいです。
『民主党』は、討論に出てきた輿石さんが「3年半の政権運営の実績がある」とだけを連呼したように、1回政権についたという事の他に、アピール・ポイントがない状態です。
政策に、特徴も魅力もないです。
見ていると、「このまま消えていってもおかしくないな」と思っちゃいますね。
『公明党』は、政策は悪くないのですが…。
何で自民党とくっついているのですか。政策は全然ちがうのに。
「与党のブレーキになる」と言うのですが、実状は潤滑油やガソリンになっていますよ。
『維新の会』は、政見放送を見ていたら、底が見えてしまいました。
せっかくのアピールの場なのに、橋下さんと石原さんは延々と雑談風の話を繰り広げるだけなのです。
具体的な政策を言わないのと、立候補者たちを紹介しない姿勢には、本当に失望しました。
立候補者について全く言及しない姿勢から、党の全権を2人が持っていて、「その他の人達は置物でいい」といった独裁的な組織になっているのが、見えてしまいました。