参院選の結果の感想②
選挙戦を見て、3つの方向性があることに気付いた
(2013.8.13.)

後半(②)では、日本の政党たちについてと、政界再編への展望を書きます。

今回の選挙戦から感じたのは、『今の日本の政党を大きく分けると、3つの政治理念・政策の方向で分けられる』という事です。

具体的に言うと、こうです。

① 自民党や維新の会に代表される、弱肉強食主義のタイプ

② 共産党などの、弱者救済的な大きな政府を志向するタイプ

③ みんなの党などの、小さな政府を志向するタイプ

それぞれを、細かく解説していきます。

まず、『① 自民党や維新の会に代表される、弱肉強食主義のタイプ』です。

このタイプは、『強者こそが正しい。強者のニーズに応えていけば、世の中は上手くいく』というのを、基本的な理念にしています。

アメリカの共和党に、非常に近いです。

日本の場合、アメリカと違って強者のニーズに応えるだけでは、支持されません。

自民党はそれが分かっているので、表面的には弱者にも配慮するように見せるのですが、実際には弱者は切り捨てます。

それを見抜ける人と、見抜けない人がいますね。

このタイプは、とにかく強者に付きます。
分かり易く言うと、ドラえもんに出てくるスネオです。

「強者に付くことで、既得権益を守りつつ、分け前にあずかろう」というのが、根本姿勢です。

彼らを仔細に観察すれば、理念も愛も無いと気付くでしょう。

「強者こそが正しい」と思っているので、日本だとアメリカと財界の言う事を聞くし、アメリカだと世界的な財閥や軍産複合体の言う事を聞きます。

自民党に二世や三世(金持ち)が多いのも、これを現わしています。

維新の会は、地方分権など少し違った色も持っていますが、私が今まで観察してきた限りでは本質はこのタイプです。

今のロシアや中国も、このタイプです。

表面上では、中国は共産主義となっていますが、実体は①が70%で、②が30%です。

このタイプに投票する人は、同じように「強者こそが正しい」と思っています。

この弱肉強食主義者たちは、アメリカの共和党のように、「小さい政府を志向している」と評される事があります。

でも、本性は違います。

アメリカの共和党は、政府を小さくする気など毛頭ありません。

彼らがしているのは、福祉やサービスを少なくして、その分を減税したり、軍事費に振り替える事です。

共和党は、軍事費は聖域にしており、増加するのを一貫して行っています。

時には軍事費を増大させてお金を儲けるために、戦争を仕掛ける事すらします。
息子ブッシュ時代のアフガニスタンやイラクへの侵攻を思い出せば、納得できると思います。

だから、彼らが政権を獲ると、むしろ借金が増大するのです。

「アメリカの共和党=小さな政府を目指す」という公式は、嘘です。騙されてはいけません。

日本の今の安倍内閣も、公共事業200兆円、軍事費の増加、生活保護の削減、非正規雇用の拡大など、同じ方向で動いています。

次に、『② 共産党などの、弱者救済的な大きな政府を志向するタイプ』です。

このタイプは、とにかく弱者を救済する事を目指しています。

だから、所得税や法人税のアップを主張します。

当然ながら、弱者に厳しい消費税には反対します。

このタイプは、共産党、社民党は完全に合致します。

生活の党も、ここに入れていいと思います。

このタイプは、分かり易く言うと、ねずみ小僧です。

「生活に困っている人が今ここにいるんだから、金持ちからガンガンお金を取ろう。金持ちが努力して金を得たかどうかとかは、どうでもいい。とにかく、貧しい人に分配するんだ。」という事です。

私は、①よりも②の方が好きです。
なぜなら、愛を感じるからです。

このタイプは、国による分配を重視しているので、必然的に大きな政府を志向するものになります。

大きな政府を志向するので、官僚たちに支持されそうなものですが、日本では支持されませんねえ。
日本の官僚は、強い者(アメリカ)につく①のタイプが多いです。

アメリカだと、民主党がこのタイプです。
アメリカの民主党は、②が70%で、①が30%ですね。

アメリカは「強者が正しい」との価値観が強いので、民主党ですら①がかなり交じります。

私が思うに、日本の共産党などは明確にこのタイプなのに、富の分配についての説明がヘタですね。

もっと上手く、「このように分配します」と具体的に説明すれば、支持が高まると思います。

このタイプは、「財政を悪化させる」と批判されがちで、財政が厳しい日本ではこの批判はかなり力があります。

もっとも、自民党などの①にも、財政を健全化させる力はないのですけど。

最後に、『③ みんなの党などの、小さな政府を志向するタイプ』です。

このタイプは、「アメリカの共和党に近い」と、日本では考えられているようです。

しかし、①のところで説明したように、アメリカの共和党は『ニセモノの小さい政府志向』です。

私の見るところ、このタイプを代表する『みんなの党』は、アメリカの共和党と違って、『本物の小さい政府志向』です。

なぜなら、弱者の切り捨てや軍事費の増大を主張しないし、軍事費を増加させるために外国の脅威を煽ったりもしないからです。

日本では、「みんなの党=アメリカの共和党=弱肉強食」と評されています。

しかし、すでに説明したように、共和党に近いのは自民党です。

私が思うに、みんなの党は、むしろヨーロッパのドイツあたりを志向しているのではないかと思います。

徹底的な政府の合理化、地方分権、既得権益の打破、財政再建などは、ヨーロッパの国々の方向に近い気がします。

少なくとも、現在のアメリカとは違いますよ。

以上、①、②、③という3つの方向性を示しました。

私としては、②が一番好きで、③は今の日本には適している気がする、①は一部の人しか幸福にしないので絶対に嫌だ、と感じています。

現状では、②のタイプはかなり多いのに、いくつかの党に分裂しています。

①に対抗するには、②の勢力が集まる必要がありますね。

具体的には、躍進をした共産党が中心になるのが良いと思います。

共産党は、今回かなり開放的で庶民的な色を打ち出しました。

それをもっと前進させて、外部から加入しやすい党に体質改善をしていけば、②の勢力を結集できるのではないかと思います。

とりあえず、社民党と合体してほしいです。

③は、みんなの党が代表的ですが、この理念を持つ人は、いろんな党に何人かづつ居る気がします。
みんなの党が引き抜きをして、③のタイプを集められれば、大きな勢力になる事も可能です。

③については、軍事費の増加、アメリカべったり、憲法改正、をとらない事が重要です。
それをしたら、自民党との違いがあいまいになり、魅力が無くなります。

今回の選挙では惨敗しましたが、上記した3タイプ以外にも、みどりの風、緑の党に代表される、『自然と共生する、真に豊かな社会を目指す』というタイプもあります。

このタイプは、今までの日本にはなかった、新しいタイプですね。

脱原発の他にはあまり主張していなかったので、よく分からない部分が多いのですが、②と③を混ぜたような方向性なのではないでしょうか。

つまり、基本的には地方分権的で小さな政府を志向するが、弱者救済や脱原発をするために、政府が指導力を発揮する(大きな政府にする)という側面もあるのです。

私は、この新しく出てきたタイプに、かなり期待しているのですよ。

今回の惨敗にめげないで、地道に活動していってほしいです。
もっと政策を煮詰めれば、支持をされるようになっていくと思います。

今回の選挙で野党は大敗したので、野党の再構築・再編が起きるだろうと考えられます。

多くの人は、民主党が中心になると考えているようですが、私は「民主党は勢力を回復できない」と考えます。

今の民主党は、多くの人が脱党したために、主張や個性がないです。
そして、残っている人達には、なぜか危機感がありません。

②の勢力は共産党が、③の勢力はみんなの党が、中心になるといいと思います。

中心になる両党は、謙虚な姿勢を示すことが大事です。

現状は、一見すると自民党が強力に見えますが、『参議院選挙の結果の感想①』に書いたように自民党の支持率は20%以下です。

だから、もし野党が結集できれば、国民の期待は高まり、安倍内閣の支持率は大下降して退陣に追い込まれると思います。

野党のみなさんには、希望を持って、前向きに取り組んでいただきたいです。


日記 2013年7~9月 目次に戻る