中国の軍事費は、長いこと年率10%くらいで拡大し続けています。
私は以前から気になっていたのですが、日本でも安倍政権になってからは、こういうのに敏感な人達が集まった政権なので、大きな話題になっています。
誰の目にも明らかなのですが、この中国の軍拡は異常です。
軍事利権が固着してしまい、中国共産党の中に軍事産業と強力に結びつく集団が存在しているのでしょう。
軍事費については、「聖域」になっています。
この状況は、中国にとっても、他の国々にとっても、百害あって一利なしです。
日本や各国は、「それは違うだろう」と説得していく必要があります。
中国では、『貧富の格差』や『環境汚染』など、そこに予算を投じた方がいい分野があります。
はっきり言って、そこにお金を使わないのは、国民への裏切りですよ。
今、「この中国の動きに対抗して、日本も軍拡をしよう」と安倍政権は言い出していますが、私は反対です。
対抗して軍拡をするのは、下策だと思います。
なぜ下策だと思うかと言うと、『中国と軍拡をしても勝てないから』、『軍拡は長期的に見ると国力を損なうから』、『世界平和の流れに逆行するから』、です。
日本は、もっと違う道を採る必要があります。
私は、日本が中国にこう言うのが、ベストだと考えます。
「あなた方は軍拡を推進しているが、それは誰の役にも立たない。
中国国民が求めているのは、豊かな暮らしをする事であり、軍事大国になる事ではないです。
あなた方の軍拡は、アジアに緊張をもたらし、世界平和を損なっています。
今、中国では環境汚染が深刻化しています。
その汚染物質は、日本にまで来ています。
もし要請があれば、私たちはいつでも環境技術でサポートする事ができます。
私たちがしなければならないのは、軍拡競争ではなく、協調や助け合いのはずです。」
以前に新聞の記事で、「日中の緊張を緩和することが大切であり、その1つの方法が、中国の環境汚染対策を日本がサポートする事だ。日本の高い環境技術を提供すれば、中国も大いに感謝するだろう。」とありました。
この提言は、卓見だと思います。
日本は、ただ中国を非難するのではなく、相手の現状を考えて対話をしましょう。
こうした発言や提言をするには、日本が軍拡をしない事が前提になります。
日本が軍拡をしておいて、「あなたは軍拡を止めなさい」と言っても、何の説得力もありません。
私は今こそ、日本は軍縮を進めるくらいの気迫が必要だと思います。
相手が肩をいからせている時には、こちらは冷静になる事が肝要です。
それこそが、本当の強さだと思います。
軍事費について考えを深めていくと、必ず『アメリカの軍事費の突出した大きさ』にたどり着きます。
アメリカは長いこと、『世界全体の軍事費の50%を占めて』きました。
冷静に見ると、中国側の言い分である「アメリカの方が軍事費が高い」「日本や韓国はアメリカと同盟を結んでいるのだから、それに対抗する必要がある」というのは、それなりの説得力があります。
日本は、中国だけではなく、アメリカに対しても「軍事費を削減した方がいい。軍事費に使う予算を他に回せば、国民を豊かにできます。」との正論を言いましょう。
これをすれば、中国も「日本の言う事は、なかなか真に迫っている。やるじゃないか。」と思うはずです。