セリエAのACミラン戦を3試合みた
感想と、本田さんへのアドヴァイス (2014.3.17.)

私の家では、「ACミラン」の試合を観られます。

冬の移籍で本田圭佑選手がACミランに移籍したので、ロナウジーニョ、イブラ、カッサーノといったファンタジスタが居なくなって以来観ていなかったACミランのサッカーを、久しぶりに観ました。

私が観たのは、24節のボローニャ戦、25節のサンプドリア戦、26節のユベントス戦です。

この3試合の感想と、本田さんへの私なりのアドヴァイスを、書いていきます。

この3試合では、ACミランは勝ったり負けたりしましたが、結果よりも「試合内容」が気になりました。

結論から言うと、『良いサッカーが出来ていません』。

ACミランは伝統的に、良い選手が集まっている所が大きな魅力なのですが、どうも今のメンバーにはピンと来ないですね。

カカー、バロテッリ、ロビーニョと、スーパースターが3人いるのですが、それ以外にグッとくる選手がいないのです。

以前だと、ピルロ、ガットゥーゾ、マルディーニ、ネスタ、チアゴ・シウバと、FW以外にも魅力的な選手が何人もいたのですが…。

ACミランの戦いぶりを見ながら、「どうも魅力を感じないなあ、ワクワクしないぞ…」と、最近の低迷ぶりをまざまざと見せつけられた心境になりました。

守備もいまいちなのですが、とにかく攻撃に問題があります。

攻撃にバリエーションが無いし、攻めが遅いので、相手に楽に対処されています。

選手達に個の能力があるので、たまに点は取れるのですが、「未来に繋がらない得点(チームの成熟度とは関係ない得点)」です。

ゲームの組み立て役である、モントリーボさんは、イタリア代表ではなかなかなのに、ACミランではちっとも輝かないですねえ。

さぼっている感じはしませんが、「くすぶっている感じ」で、鋭いパスが出てこないのです。

チーム全体に言えるのは、『連係が悪い』という事です。

お互いの特徴を把握し合っていないし、お互いを尊重し合っている感じもしません。

信頼関係の構築が必要ですよ。

そんなミランに移籍した本田さんですが、これまた活躍できていません。

ここからは、なぜ本田さんが活躍できないかと、これからどうすればいいかを書きます。

まず、『なぜ活躍できないか』ですが、私が観た限りでは「原因はポジショニングにあります」。

本田さんは、攻撃時には日本代表の時にするように、「細かいパスを交換し合えるように、味方選手の近くに寄って行ったり」「相手の守備網をワンツー・パスやスルー・パスで崩すために、あえて相手選手達の中に入っていったり」します。

これが、ACミランの選手達には理解できないようなのです。

ACミランの選手たちを見ると、「本田よ、なぜそんなに俺の近くに来る?」とか、「パスを出しづらい所に、あえて行くなよ」と思っているのが顔に出ています。

私は、日本代表戦を欠かさずに観ているので、本田さんのやりたい事が理解できます。

でも、ACミランの選手達はそうではないので、本田さんは孤立したりパスをもらえなかったりするのです。

今のミランは、「個の力でそれなりに攻めてみて、崩せればそれでいいし、崩せなければロングボールをぽーんとペナルティエリアに放り込む」という、荒っぽい攻撃です。

それに慣れている選手たちは、緻密な崩しをしようとする本田さんの意図を、感じ取れないのです。

本田さんにしてみると、日本代表ではかなり上手くいっているので、同じやり方をミランでも行いたいのでしょう。

それに、「今のミランに足りないのは、細かいパスを使った崩しだ」とも思っているのだと想像します。

私としては、本田さんの考えは正しいと思うのですが、実際問題としては本田さんの意見を聞く人は、まず居ないでしょう。

なぜなら、ACミランには「世界屈指の名門サッカー・クラブとしての伝統や誇りがある」からです。

この「名門クラブの歴史」というのが、非常に厄介です。

今までの本田さんは、「俺は、こう思っているんだ。それをやれば、勝てるんだ。」と主張し、それが個性として評価されてきました。

しかしACミランでは、同じ事をしても「待て、本田。ACミランには、長い歴史と伝統があるんだ。お前はまず、それを尊重しろ。」と言われてしまうでしょう。

そしてファンも、本田さんよりも歴史と伝統を支持すると思います。

もう1つ、本田さんの意見が採用されない理由があります。

それは、「本田さんよりも有名で上手い選手が、チームにいる」です。

今までは、本田さんはチームで1番うまい選手、1番リーダーシップのある選手でしたが、ミランにはカカーやバロテッリ、モントリーボがいます。

彼らは、「俺の方が本田より上手いし、実績もある」と思っているだろうし、それは事実でもあります。

以上の2点により、本田さんの意見・サッカースタイルは、日の目を見ない(理解されない)可能性が極めて高いです。

すごく率直に言うと、名門ACミランといえども、マラドーナ、クライフ、ベッケンバウアーぐらいの実力と実績がある選手だったら、話は違います。
「ACミランは、勝っていないじゃないか。それは、サッカーのやり方に問題があるからだ。俺がリーダーになって新しいスタイルを示すから、俺に付いて来い。」と、移籍してきていきなり言っても、皆が従います。

でも本田さんには、そこまでの実力も実績もないのが現状です。

ACミランの選手もファンも、
「本田よ。お前は良い選手だが、まだ世界レベルでは実績を
 残していない。
 ここでは、単なる1人の選手に過ぎないんだぞ。

 もっと汗をかけ。もっとチームに忠誠を尽くせ。
 自分らしさを出そうなどと、色気を出すな。」
 と思っているのです。

結論としては、こうです。

『本田さんは、まず脇役に徹して、ACミランの選手達を
 活かすような黒子役を目指そう。

 そうして2年くらいミランで実績を積めば、自分の意見を
 チームに反映させる事も可能になる。

 名門ミランで、最初から自分のスタイルを打ち出して
 それへの適応を周りに求めるのは、自殺行為だ。』

具体的に言うと、今のミランの攻撃のキー・マンになっているカカーさんとモントリーボさんに、「俺にどう動いて欲しいんだ? 言ってくれれば、それを出来る限り行うよ。」と伝えるのが良いです。

彼らが輝くように、自分は黒子役や汚れ役に徹するわけです。

これをすれば、本田さんはチームで機能するようになり、評価されていくと思います。

特にカカーさんとバロテッリさんは、感性のおもむくままに自由にプレイするタイプなので、本田さんの方から合わせてあげる必要がありますよ。


日記 2014年1~3月 目次に戻る