ウクライナでは、しばらく前から激動が続いています。
最初のうちは、民主化が進みそうになり、私は喜んでいました。
デモ隊が独裁的な大統領を追い出すのには、賛成していました。
ところがその後、ロシアがウクライナ領のクリミアに兵を進めて、問題が一気にややこしくなります。
ロシアの行動は明らかに変でしたが、この地域の事をほとんど知らないので、様子を見るしかありませんでした。
どうもメディアの人々も私と同様の知識レベルみたいで、新聞やTVで情報を見ても、何が起きているのかをきちんと解説していません。
私は、旧ソ連やその衛星国、アフリカの国々について、まだ勉強不足で知識がないのです。
本来だと、このような大事件はすぐに日記で取り上げるところですが、知識がないので書けないままに今日まで来ました。
ようやく多少の知識はついたので、感じている事を書きます。
(ウクライナの辺りについては、「もっと勉強をしないといけないな」と痛感しています。勉強して『歴史の勉強』などのページにアップしていこうと思っています。)
すっとクリミアの事に気をかけ、新聞の情報は欠かさずにチェックしています。
そうして、「クリミアにロシアの軍事基地(軍港)があること」「クリミアにはロシア人が多いこと」「ウクライナは親ヨーロッパ派と親ロシア派がいること」「クリミアの基地はロシア海軍にとって重要なこと」を知りました。
クリミアにロシア軍の基地があることすら、今までは知りませんでした。
司馬遼太郎さんの「坂の上の雲」を読んだ時に(この小説は日露戦争を描いています)、『ロシアが、不凍港や良質の港を喉から手が出るほど求めている事』が印象に残りました。
(ロシアは寒い地域なので、冬には凍ってしまう場所が多く、国土は広大なのに良港が少ないのです)
まさか未だに同じような発想をロシアがしているとは…。実に驚きです。
大陸間の弾道弾や、世界を完全に壊滅できる核兵器がある時代に、今さら軍港の確保ですか。
頭のあまりの古さに、呆れるのを通り越して、可哀相になりました。
私は、『クリミアで行われる、ロシアの一部になるかどうかの住民投票』に注目していました。
それでしっかりと民意が汲み取られるならば、やり方は強引でも、クリミアの人々の幸福に繋がると思ったからです。
ところが、この住民投票では賛成票が95%になるという、明らかにインチキな投票となりました。
こんなに賛成票が多くなるのは、クリミアの住民構成からいってあり得ないし、この極端な数字はまるで北朝鮮での出来事のようです。
いたく失望しました。
私としては、「クリミアがウクライナから離れたいのならば、シンプルに独立をすればいい」と考えていました。
それが、最も理にかなうと思ったし、クリミアの人々が幸せになる事にもなると考えたからです。
最初の頃は、「住民投票でロシア編入が決まっても、すぐには編入は行われず、クリミアはいったん独立国になる」とも報道されていました。
なので私は、「とりあえずウクライナから独立して、ロシアに加わるかどうかはゆっくり考えればいいのではないか」とも考えていました。
しかし、あれよあれよと言う間にロシア軍が進出して、一気にロシア領になってしまいそうです。
展開のスピードの早さに、やや途惑っています。
編入賛成派は、ロシアに統合されることで、エネルギー価格が安くなる事や福祉が充実する事を、期待しているようです。
気持ちは分からないでもないのですが、考え方があまりに安易な気がします。
もっと自分たちの遠い将来まで考えて、きちんと判断した方がいいと思うのですが…。
意外だったのは、ロシア国民がこの暴挙を支持している事です。
なんでも「ソチ五輪とこのクリミア併合で、プーチン大統領の支持率は急上昇している」らしい。
ロシア国民の子供じみた感覚には、困ってしまいました。
ロシアの人々は、1人1人は良い人なのですが、世界情勢にうといし、物事を表面的にしか捉えていないようです。
ソチ五輪にしても、盛り上がりに欠けたし、運営もいまいちだったと思うのですが…。
私には、とても国威を発揚できる内容だったとは思えないのですが、ロシアの人々はすっかり満足しているのでしょうか。
ロシアの国際法を無視した行為には、アメリカなどが怒っており、彼らは罰として「経済制裁」を行おうとしています。
怒る気持ちは分かるのですが、こちらも子供じみていると思いますね。
経済制裁は、アメリカの十八番なのですが、歴史的に見て有効なやり方ではないと思います。
経済制裁で苦しめられた国は、イランや北朝鮮が代表例ですが、核開発を進めたり軍事力を高めたりと、危険な方向に進むパターンが多いです。
「あいつは間違った事をしたから、村八分にしよう」というのが、今のアメリカがやろうとしている事ですが、それは冷たすぎると思います。
自分が村八分にされた時を想像したら、誰だって実行は出来ないと思いますよ。
アメリカは冷静さを失っています。
『神との対話』では、「過ちとは、裁くものではなく、赦してチャンスを与えるためにある(愛を表現するためにある)」と説いています。
これが真実だと思います。
ロシアは明らかに間違い・過ちをしましたが、裁くのではなく、説得を諦めずに対話をし、改心するチャンスを与える事こそが必要なのです。
世界の国々は、ロシアときちんと関係を保った上で、「あなたの行いは世界のためにならない」と説得しなければなりません。
経済制裁は、上から目線で相手を罰する、幼稚な行為です。
日本は、ロシアを罰するのはやめて、アメリカとロシアの仲介役を目指しましょう。
北朝鮮に対しても、同じなんですよ。
本当は経済制裁なんていう愚行はやめて、北朝鮮を支援しつつ、「あなたが世界の一員でやっていくには、これこれをする必要があります」と説得をしていくのが良いのです。